15話 閃朝日。
15話 閃朝日。
その顔を認識した瞬間、
センの目がわずかに見開かれた。
「……お、おう。マジで久しぶりだな……まさか、このタイミングで再会するとは思ってなかったぞ……原初の世界にきてから、一度もお前に会ってなかった気がする……気がするってか、会ってねぇなぁ……」
朝日は小さくうなずいた。
感情を抑えた、淡々とした口調だった。
「はい、会っておりません。ずっと隠れておりましたので」
センは眉をひそめた。
「……隠れていた?」
「はい。パパ上の運命線上に引っかからないようコソコソと」
センは頭をかきながら、呆れた顔で、
「ちょっと何言っているか分かんねぇが……とりま『パパ上はやめろ』って、今まで、300億回ぐらい言ったよな。普通にセンでいい」
朝日はセンの苦言を百パーセントの勢いでシカトして、視線を横へ滑らせた。
「それよりパパ上……だいぶ大変な状態におられるようですね」
そう言いながら、
鋭い視線でバーチャを睨みつけた。
朝日が現れてからというもの、
バーチャは一切口を挟まず、現場の様子を観察していた。
存在値810程度しかない朝日が何をしようと、どうとでもできる。
その余裕が、バーチャの観察姿勢を作っていた。
朝日は視線を逸らさないまま、センに言った。
「あのカスが生きていて良い事など一つもございませんので……僕らの親子かめ〇め波で、あのカスを粉砕してしまいましょう」
その軽やかな提案に、
センは苦笑を浮かべた。
「いやぁ……お前と力を合わせてもなぁ……あのカス、存在値1垓を超えているからなぁ……」
朝日は少しも動じなかった。
むしろ自信ありげに一歩前へ出て、
「大丈夫ですよ、パパ上。僕とパパ上と田中トウシが一つになれば、なんとかなります。一応、僕は、田中裏介の代わりができますので」
センの表情が固まった。
「……え……あれ? お前さぁ……何をどこまで知ってる感じ?」
朝日は一瞬だけ目を細め、
わずかに口角を上げた。
「あえて慇懃に、こう言えば、ご理解いただけますかね…………全部だよ、センくん」
最後の呼び方とともに、
声音と顔つきが、見慣れたものに変わった。
センエースが焦がれた宇宙一のヤクザ。
蝉原勇吾に酷似した表情。
「え、どういうこと?」
困惑を隠せないセンに、
朝日は何も答えず、そっとセンの胸部に触れた。
「ほら、田中トウシ。君も、さっさと、パパ上に触れて。アマルガメーションするよ」
トウシは一瞬ためらい、
首を傾げながらもセンに手を伸ばした。
「……まさか、蝉原のバックアップ? でも、アカシックレコードにそんな記録は一切なかったけどなぁ……」




