13話 ベジ〇トを殺せるシェ〇ロン。
13話 ベジ〇トを殺せるシェ〇ロン。
「だからどうした」
「シグレに渡しておいたオマケ……レベル20になったら使えるようにしておいた指輪。その効果は、『俺に何でも要求できる』というものだ」
「……」
「それだけじゃなく、一つ、アリア・ギアスもかけておいた。それは、『原初で苦労すればするほど、俺に叶えてもらえる願いが大きくなる』というもの。別に、こうなることを見越して、そういうアリア・ギアスをかけたわけじゃない。ただ、『シグレを召喚した者の責務』として、『大変な状況に陥っているのであれば、その分だけ、ちょっとは力を込めて助けてやろう』とか、そんな風に思っただけ」
センの声には、言い訳めいた軽さと、揺るぎない覚悟が同居していた。
「2垓年を背負ったのは俺や蝉原たちだけじゃない。シグレやゼンもそうだ。この状況を例えるなら……俺は『シェン〇ン』だな。自分の限界を超えた願いを叶えることは普通にできないが、たまたま積んでいたアリア・ギアスが2垓年ぶん働いてくれたおかげで、いまなら『サ〇ヤ人を殺すこと』もできる」
つまり、理屈の上では不可能な領域に、手が届く。
「シグレ……あとで、ゼンを必ず救ってやる。だから、俺に『トウシを蘇生しろ』と命令してくれ」
フラついているシグレは、頭を振り、奥歯を強く噛みしめ、
「……う、ウチの親戚の中で……一番イカれとる、あのバカを……蘇生して。そして……あのバーチャとかいうクソを殺して」
「一つ目の願いは叶えてやるが、二つ目の願いは難しいな。あのクソは、俺の力を大きく超えている」
「でも、勝てるやろ……神様なら」
「……さあ、どうだろうなぁ……」
曖昧に笑いながら、センはシグレから『オマケの指輪』を受け取った。
本来なら、『当時基準の軽い究極超神器』でしかなったそれは、2垓年という気の遠くなる時間に磨かれ、とんでもない密度のオーラを内包していた。
センは、その指輪を躊躇なく砕く。
そして、昔馴染みのアンチクショウに、オーダーを叩き込む。
「いつまで寝てんだ、ボケ。……仕事の時間だ」
高次の反魂が起動する。
魂と肉体、過去と現在が強引に縫い合わされ、存在の輪郭が再構築されていく。
やがて、地に横たわっていたはずの田中トウシの肉体が、確かな実在として復活した。
「……まだやらなあかんのかなぁ……もう、いっそ、死んどきたかったけどなぁ……」
愚痴をこぼしながら、トウシは重たい身体を起こし、ゆっくりと立ち上がった。
固まっていた関節をほぐすように、肩を前後に回す。
次の瞬間、ボキボキと鈍い音が連続して鳴り、空気がわずかに震えた。




