表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
最終章 バイバイ、センエース。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6243/6359

11話 欲しかったもの……


 11話 欲しかったもの……


 命を止めないミシャ。

 覚悟と引き換えに、輝きを限界まで凝縮し、


 ――ミシャは、バーチャの顔面めがけて右の拳を突き出した。


「閃光斜影のキルクルス!!」


 ズガン、と爆発音にも似た衝撃が鳴り響いた。

 拳は確かに届いている。

 正面から、逃げ場のない角度で。


 しかし。


 バーチャの表情は、微塵も変わらなかった。

 衝撃を受けた形跡すらなく、ただ呆れたように息を吐く。


「……ゴミみたいな拳だ。これがなんだという?」


 その言葉に、ミシャは拳を下ろし、静かに言った。


「私には……あたしには……ずっと、ほしいものがあった」


「貴様のようなカスの自分語りに興味はない」


「……あたしが欲しかったんは……大好きな人の救いになれる力……今度こそ、絶対に……失わんように……」


 声は震えていたが、後退はなかった。

 それに対し、バーチャは鼻で笑う。


「貴様は全てを失う。何も救えはしない」


 ミシャは、その言葉を正面から受け止めたまま、ゆっくりと息を吸い込んだ。

 肺の奥まで冷たい空気を満たし、吐き出す代わりに、言葉として編み上げる。


「命は繋がっとる。循環……円……螺旋……センは、あたしたちの全てを背負ってくれた。だから応えられる。あたしたちはゼノリカ……この世で最も尊い王のもとで一つになると誓った縁」


 それは宣言。

 同時に祈りであり、逃げ場のない決意でもあった。


 バーチャは肩をすくめ、冷笑を浮かべる。


「はっ……しょうもない。ようするに、貴様ら全員の命を使ってセンエースを蘇生させるということか? 自己犠牲が大好きな連中だ、気持ち悪い。……まあ、好きにすればいいが、意味はないぞ。また死ぬだけだ」


 その言葉が、空間に沈み、波紋のように広がった直後だった。


 バーチャの内部で、異様な音が鳴った。

 ギュルル、グルル。

 生ガキに当たった時のような、内臓を直接かき回される不快な音。

 まるで腹の底に潜んでいた怪物が、苦悶のうなり声を上げているかのようだった。


「……ふん……」


 バーチャは顔をしかめ、不快感を隠そうともせず、口を開いた。


「おろろろろろろ!!」


 吐き出されたのは、ゼノリカに属していた全員。

 しかし、誰一人として『人』の形をしていなかった。


 肉体はすでに意味を失い、境界を保てず、崩れた存在は光の粒子へと還元されていた。

 無数の微光が宙へ放たれ、意思を持つかのように集まり、絡まり、空に巨大な渦を描く。


 声もない。

 悲鳴もない。

 ただ、静かな献身だけが、確かな重さをもってそこにあった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒーローごっこをしていただけなのに、気付いたらカルト教祖になっていました また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
ミシャの「大好きな人の救いになれる力」という言葉が痛いほど刺さりました……。震える声で、それでも後退せずにバーチャに向き合う姿が本当にかっこいい。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ