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88話 ゼノリカの神々。


 88話 ゼノリカの神々。



 そこには、荘厳なオーラを纏った七人がいた。

 P型センエース1号という『莫大なキッカケ』を得て、

 圧倒的な絶望と言う洗礼を受けて、

 ついに、限界の壁を突破した神々しい姿。



 それを見て、P型センエース1号は、


「……ちょっと待て……それは……想定していない……ふざけるな……」


 ワナワナと震え、


「こ、ここで開く予定じゃなかった……お前らがひらくのは、もっと後……そのはずなのに……ど、どうなっている……俺は何を間違った……いや、間違ってなんかいない……ここまで……最善だったのに……どうして……なんで……こんな……」


 神気に包まれている九華は、

 華々しさなど微塵もない修羅の目でP1を睨みつけている。

 泥臭くて、暑苦しくて、熱気が鬱陶しい、ほとばしる気迫。

 重たい覚悟がにじみ出ている視線。


 その厄介な視線を受けて、

 P型センエース1号は、当然のように怯んだ。



(か、神の領域に至った者が……10柱以上……内、1柱は超神……)



 今のP型センエース1号の戦闘力ならば、

 『神となった天上の連中』が相手でも、

 『タイマン』なら、余裕で勝てる。


 3対1でも、まあ余裕。

 5対1になったとしても、

 楽勝ではないが、対処は可能。


 ――だが、


(ノーデスで処理……いや、絶対に無理! 流石に、『超神+神二桁』を同時に相手どって無傷は無理……な、何回死ぬ? ……何回ですませられる……ストックが……センエースと闘うためのストックが……)


 ブワァっと冷や汗を出すP型センエース1号。

 焦りが体を硬くする。



「く、くそったれがぁ!」



 ――死闘が始まった。

 九華の面々は己に出来る最善を尽くそうともがいた。

 そのあがきは、P型センエース1号にも届く。


「く、くそ! くそぁああ! ウザすぎんだろ、てめぇらぁあああ!」


 ゼノリカに属する者は、みな、『自分より強い者』を知っている。

 九華十傑は、五聖命王を知っている。

 五聖命王は、三至天帝を知っている。

 三至天帝は、神帝陛下を知っている。


 ゼノリカに属する者は、誰一人として『自分が最強』だとは思っていない。

 『最強ではない』という『自分の領域ステージ』を理解している。

 それが、いったいどういう事かと言えば、


「うぜぇえ! うぜぇええ! 削ってくんなぁ! やめろっつってんだろぉお!」


 誰しもが、『格上相手にも通ずる戦法』の一つや二つは持っているという事。

 磨いてきた『戦法』は、神に成った事で、数段上の次元に達した。

 今までは、『コストの問題で出来ない』という事が山ほどあった。

 だが、神になった今、

 オーラも魔力もケタ違いに増えたため、

 むしろ、出来ない事を探す方が大変になったくらい。


 パメラノとマリスが、P型センエース1号に極悪なデバフを積んでいく。

 異守と才藤と銃崎が、高次のバフを周囲にき散らす。

 平とバロールとカティは、盾(回避盾)役としてP型センエース1号を抑えこみ、

 アルキントゥとサトロワスはコンボ支援的な中火力担当。

 ジャミとゾメガは、周囲の援護を受けながら、交互に超高火力をぶちこむ。


 最高出力担当のミシャは中距離での固定砲台。

 P型センエース1号の、『動きが止まったところ』を静かに狙いうつ。


 五聖命王の三姉妹は、『才藤単体にバフを積む型』だとクソ微妙だが、三人が全員でバフサポートにまわると、凶悪な性能を発揮する。

 特にやばいのが、才藤。

 でかい剣をふりまわすだけが彼女の特技じゃない。

 彼女の最大の特徴は、その凶悪な『攻撃速度アップ効果』を自分以外の者に分け与えることができるバトンタッチ能力。


 才藤は、三秒ごとに、ミシャを加速させていく。

 才藤を止めない限り、ミシャの加速は止まらない。


(才藤うぜぇ……これだけ、盾役が、ガッツリと機能している状態だと、才藤を止める手段がねぇ。……み、ミシャの加速を止められない……の、飲まれる……また死ぬ……やべぇ、やべぇ、やべぇ……の、ノーデスどうこうなんて言っている余裕はねぇ! どうにかしねぇと! 最悪、マジで削り切られる!)


 完璧な連携で挑むレイド戦。


 P型センエース1号の身に降りかかる絶望は、まだまだ終わらない。

 むしろ、ここから、より加速していく。



 P型は死んだ。

 何度も死んだ。

 何度も何度も殺された。


 ――しかし、

 だから、


「調子に乗るなよ、センエースの御荷物どもがぁあ! ちょっと神種が開いたからって、その程度でぇえええ! この俺にぃい! センエースに勝てる訳ねぇだろぉおおお!」





次話、ついに、センエース登場。

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自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
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