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78話 猛省。


 78話 猛省。



 猛省しているP型センエース1号。

 しかし、そんな事をしている余裕を、三至が与える事はない。


 流れるように、復活したP型センエース1号へと圧力をかけていく。

 よどみのない、完璧な連携。

 先ほどの殺戮よりもスムーズな展開。


 ――なのに、


「ナメんなぁ!」


 P型センエース1号は、見事に切り返してみせた。

 『カウンターを叩きこめる』ほどではなかったが、

 華麗に回避して反撃の距離を確保し、

 高出力の異次元砲を放つ。


 かなり虚をついた一撃だった。

 三至も一瞬、焦った顔をみせたほど。

 しかし、ゾメガが、反射的に異次元砲を放ったため相殺され、ダメージには至らなかった。



「はぁ……はぁ……ちっ……」



 舌打ちをするP型センエース1号。


(まだ、攻撃を通す事もできないレベルか……くそったれ……)


 ――ダメージにはならなかったが、『反撃』はできた。

 ――なすすべもなく三回やられた事で、『なすすべもなく倒されるだけ』という期間は終わった。

 間違いなく進歩している。

 だが、まだまだ、そこまで。

 三至との距離は遠い。



「む、だんだんと動きが小マシになってきたのう……」

「驚くべき成長速度ですね……なるほど」

「けど、まだまだ殺せるわ!」


 P型センエース1号が三至天帝に『抵抗できる時間』は、殺されるたびに伸びていく。

 くりかえす、トライ&エラー。



 ――次第に、



(見えてきた……流石に見えてきたぞ……だが、くそ……12回も死んじまった……くそったれ……大幅な出費だ……)


 三至を相手に、P型センエース1号は、

 すでに、同等以上の立ち回りを見せていた。


 休まずに『超火力を連発』してくる三至に対し、


「もう、その手の大味な攻撃は飽きた……いい加減、てめぇらは用済みだ」


 瞬間移動で距離を詰め、本格的に制圧を開始していく。


 ――まず、平熱マンが詰められて、


「は、はやっ――っ!!」


 腕を切り飛ばされた。

 と同時に、顎へ頭突きをいれられ、クラっと意識を遊走させる。

 そのまま、P型センエース1号は、平熱マンの足を掴んで、


「うらぁああああ!」


 地面に投げつけた。

 ドガァンっと重たい音が空間に響く。


「生きておるか!」


 叫ぶゾメガに、


「……っ……ちっ……くっ……ぇえ、まあ……」


 そう返事をしながら起き上る平熱マンを見て、

 ゾメガとミシャが、一度ホっと息をついていると、

 ミシャの横腹に、


「よそみしているとは余裕だねぇ!」

「うぐぅうっ!」


 豪快な蹴りが入った。

 くの字に曲がる体。

 そのまま吹っ飛ばされる。

 と、思ったら、吹っ飛ばされた先に回り込んだP1が、両手を合わせて振りかぶっていて、


「はい、ドーン!」


 ガツンと後頭部に重たい一撃をくらって、

 平熱マン同様、地面にたたきつけられた。



「ミシャっ……くっ、小僧がぁ……あまり調子に乗るなぁああ!」


 魔力を大幅に上げて、制圧しようとするが、


「用済みだっつってんだろ、クソ老害がぁ……もう、お前らに用はねぇんだよ」


 回避して、カウンターを叩きこんでくる。

 ぐふっと血を吐くゾメガ。

 しかし、そこで折れはせず、


「ゼノリカをナメるなよ……ガキぃ……」


 ギンと鋭く輝く目でP型センエース1号を睨みつけるゾメガ。

 そんなゾメガに、P1は言う。


「誰もナメちゃいねぇ。ただ、現状は、『俺が勝っている』それだけだ。それ以上でもそれ以下でもない。違うか?」


「……っ」


「消えてろ、ジジイ」





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