表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
永久閃光龍神M章 ミシャンドラ。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6003/6032

14話 なにしてんねん、キモいのう。


 14話 なにしてんねん、キモいのう。


 6歳になったセンエースは家を飛び出し、スライムを狩って、必死にレベルを上げていた。

 センは、お小遣いをためて購入した武器――『キノキの棒』を硬く握りしめ、スライムをたたき潰す。

 それを延々と繰り返す。


 日が傾く。

 近場の洞窟で眠る。

 夜明けと共に狩場に出る。

 スライムは無限に湧いて出た。

 潰して、潰して、潰し続ける。


 一日の討伐数が1000匹を超える頃、

 腕は痺れ、足裏は土の硬さを覚え、

 目は粘度の揺れを先回りして追いかけるようになった。


 それを毎日続ける。

 飽きることなく。

 いや、飽きるとか関係なく。

 延々と、淡々と、センエースはスライムを殺して経験値を稼ぎ続ける。

 毎日、毎日。

 5日……

 10日……

 1年……

 10年……


「いや、あの怪物くん……ずっと、スライム倒してんねんけど……10年ぐらいずっと。……ぉ、おもんなぁ……全然、画替わりせぇへん。……もっと、他のモンスターも倒したりせぇよ。アホちゃうんか、こいつ」


 トコは眉をひそめつつ、続きを確認する。


 季節がめくれる。

 緑は濃く、風は冷たく、降り始めの雨は足場を奪う。


 それでもセンはスライムを殺す手を止めない。


 町にも、人にも、祝い事にも背を向け、

 ただひたすらにスライムを殴り殺し続けている。


「え、これ……いつまでやんの? 最初子供やったのに、もう今、オッサンになってんねんけど……」


 30歳を超えても、センは、まだ森でスライムを狩っていた。

 その様を見て、トコは、


「びょ、病気……」


 素直にそう思った。


 まるで『最初の村の外でカンストまでやってみた』を地で行くような、狂気のやり込み。


 拳は土に、空気に、粘性に馴染み、

 周囲の世界が半拍遅れて追随するかのように見える。


 命が一撃へ凝縮され、腕は振らず、肩は鳴らず、背骨は一本。

 荒事の華やかさはない。

 ただ『正確さ』だけが世界に残る。


 センエースの拳は『常軌』を置き去りにしていた。



 ――そこで、『300万分の遠景』は幕を閉じる。

 間違いなく、300万の価値はなかった。

 いや、ある意味で、その価値はあったかもしれない。

 面白い映像ではなかったが、センエースの異常性を垣間見ることができた。


「終わりかい……経験値を300万も払って、スライムを殴るところしか見られんかった。ぼったくりもええところやな……」


 と、そこで、『つづきを見るために必要なポイント』が表示された。

 

 《センの記憶・遠景》――必要EXP:300,000,000

 所持EXP:1,112,776,731(使用可能)


「3億……まあ、払えるけど……一気に跳ね上がるな……そんだけ払うんやから、流石に、さっきよりはマシなもん見せてくれよ……」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ