14話 検討してやる。
14話 検討してやる。
じゃれあってから、
センは、
「とりあえず、お前の提案を検討してやる。検討した。受け入れてやる」
「なんで、君ほど完璧で高潔で美しいヒーローが、そんなに面倒くさい性格をしているんだろうね」
「いい皮肉だ。クラクラしてきたぜ」
そこで、センは、サクっと世界を創造していく。
究極超神の序列一位であるセンにとって、
ちょっとした世界を創造するぐらいワケはない。
「できました、蝉原店長。次はどうしたらいいですか?」
「……俺が手を加えることで、その世界の成長率を爆発的に上昇させることができるけれど……どうする?」
「この世で最も愚かな質問の一つだな。知らんけど。……ちなみに、どういう方法?」
「……『さいごのまおうのせかい』とリンクさせるんだ。その上で、経験値倍率にさらなるテコ入れをかける。倍率的に一番効率がいいのは……『殺戮レベル』の設定かな」
「物騒な名前~、こわ~い」
「……殺戮レベルを設定すれば、君が、『大一アルファで殺戮の神と畏れられるほど』に、鍛練世界の成長倍率が底上げされていく」
「殺戮の神と畏れられる……それは、具体的に、何をすればいいんだ?」
「無差別に殺しまくるのがもっとも手っ取り早いね」
「えっと……一応、お話の前提として、『殺戮の限りを尽くすかもしれないラストを倒すため』の相談をしているんだよね、今」
「そうだよ」
「なのに、俺が、殺戮の限りを尽くしちゃうの? 本末の転倒ぶりが、体操の金メダリスト級じゃない?」
「金メダリストだと、転倒しないで着地するんじゃない?」
「どうでもいいんだよ、そんなこたぁ」
「こっちのセリフだねぇ」
と、息をついてから、
「別に、本当に殺す必要はないよ。殺したというていにして、鍛練世界に転移させればいい。事情を知らない愚民どもは、それでも、君を殺戮の神と畏れるさ。あとは、テキトーに、『汚物は消毒だ、ひゃっはー』とでも叫んでおけば万事オッケー」
「そんなことをしたら、俺が嫌われちゃうじゃないか! 俺が可哀そうだ!」
「……うん、えっと……嫌なら、全然やめてくれていいよ。最高効率を提案しているだけに過ぎないから」
「やるに決まってんだろ。ナメんな」
「……やばい……マジでウザいな……」
「よっしゃあ!」
グっと、ガッツポーズするセンと、
その視線の先で辟易した顔をしている蝉原。
だいたいのプランが固まったところで、
「そうだ、センくん。一度、ラストと戦ってみてくれないか。その方が、最終決戦での対策とかも立てやすいと思うから」




