11話 深層の真相。
11話 深層の真相。
「へー」
「簡単に例えるけど……『原初深層の一層』のことは『宇宙』だと考えてほしい。その中に無限の世界(星)があって、この『さいごのまおうのせかい』はその中の一つ。君がメービーからもらった冒険の書を使ってたどり着いた世界『真・第一アルファ』も、深層一層という宇宙にある世界の一つ」
センは、真・第一アルファで枯渇していたヨグを回収し、
以降、真・第一アルファの維持を、担うことになった。
今も、ずっと、センが、ヨグのかわりに、オートで、エネルギーを送り込んで、真・第一アルファを支えている。
「第一層には無数の世界がある。そこでは多くの人が普通に生きて生活している。……そして、ラストは、『一層(宇宙)』を移動して、全ての世界に干渉することが可能なんだ」
「なるへそ。つまり俺は脱げばいいんだな?」
「本来であれば、禁域の扉で、専用の鍵を使わないと、『一層内の違う世界』に移動することは出来ない……けど、ラストは、『幻想概念獣』だから、自在に移動することができる」
「そんな目で無視するなよ、ユウゴン。興奮しちゃうじゃないか」
「ラストは、一層にある全ての世界に干渉できる。その上で……ラストは『破壊衝動』を持っている。『君と世界を壊すこと』しか頭にない。交渉も説得も出来ないただの災厄。放置していたら全ての世界が死ぬ」
「たまんないねぇ」
「ほんとにね」
「で、なんで、ゼノリカを使えない?」
「……『原初の世界』と『深層第一層』を繋いでいる『扉』を……ラストに封じられてしまった」
「……」
「だからゼノリカは使えない。こっちに送ることができないから」
「カティとかカンツは? 『さいごのまおうのせかい』に連れてきていただろ? 99番とか14番とか、絶対そうだろ。最悪、カンツだけでもいれば、なんとかなりそうなんだけど。あいつは強いぜぇ。センスとポテンシャルだけで言えば、俺を遥かに超越している。おっと、親バカなんていうなよ。俺はただの真実を口にしている。あの子は最強なんだい! 絶対なんだいっ!」
「ゼノリカメンバーのフラグメントなんか、『君とゼンドートたちの決戦』の『前』に、とっくに、原初の世界に返したよ」
「……」
「あと、ぶっちゃけ、この時間軸上におけるゼノリカは、そこまで大したことがないからフルスペックで連れてくることができたとしても……たかが知れているのが現状だ……ドナとかカティとか、『さいごのまおうのせかい』で鍛えた連中は、そこそこ基礎スペックが底上げされているけど、ラストに対抗できる力ではない。カンツも……強いのは認めるけど、流石に、ラストが相手だと厳しいねぇ」




