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62話 様式美。


 62話 様式美。



「殺さず、封印もせず、ただ物理で捕まえておく……これで終了だ。お前という脅威は終わった。残念だったな」


「はっ、バカが……その思考、愚かし過ぎて、もう笑えねぇな。センエースの脅威が、これで終わりなワケねぇだろ」


「私ごときでは、主を止める事などできるはずもない。だが、貴様は主ではない。貴様はただのクズだ。ならば、力足らずの私でも余裕で止められる」


「うぬぼれてんじゃねぇよ、ザコが。俺からすれば、てめぇも、しょせんは、『養分その1』でしかねぇ」


 言うと、P1は、眉間にしわをよせて、


「――『拘束(物理)なら問題なし』ってその甘い考えは、マジで笑えねぇ。ギャグならともかく、お前の場合、マジだもんな。……まあ、確かに、オーラを固めてつくったリングで拘束するのは、手で掴むのと、たいして違いはねぇからなぁ。属性的には封印とは呼べねぇ。だが、こんなもん、物理で引き千切ってしまえば終了。……うぐぐぐ……」


 力を込めて、リングを壊そうとするP1。

 しかし、


「あ、あれ……おいおい、随分と強いな、おい……ぬ、ぬぎぎぎぎぎ……ぬぅううう」


 いくら力を込めても、


「うぎぎぎぎぎぃい! ぐぬぅうううう!」


 そんなP型センエース1号の様子を、

 ジャミは冷めた目で見つめて、

 ボソっと、


「無駄だ。神気をこめたリングだからな」


 今のジャミは神化を使っている。

 神の領域に届いた者のオーラ。

 当然、破格。

 『まだ神に届いていないバロールたちより強い』というレベルでは対処できない絶対的に膨大な力。



「これが、神の領域だ。不可侵にして絶対の超次世界。主は、その領域の最果てにおられる。それほどの御方の名を騙った罪……ただですむと思うなよ」


 ジャミは、徐々に、リングに神気を込めていく。

 ギュギュっとゆっくりしまっていく。

 その圧力に、


「う、うぐぃいいいい……ぐぬぉおおおおお! いぎぃいいい!」


 P型センエース1号は悲鳴をあげる。

 浮かぶ涙。

 溢れる脂汗。

 だが、ジャミは許さない。


 神を騙った者を、

 ジャミは許さない。


 ――冷たい声音で、ジャミは言う。


「お前の力では、永遠に、その拘束を解く事はできない。無限の苦痛の中で――」






「う・そ★」






 ジャミの言葉を遮るようにそう言いながら、ペロっと舌をだし、

 その後、

 グバチィィッ!

 と、簡単に、『神気を込めたリング』を引き千切ってみせるP型センエース1号。



 P1は、拘束されていた部分を軽くさすりながら、


「ドーナツを使われたら、やっぱり、『利いているフリ』は、やっておかないとな。お約束ってやつだ。様式美ともいう」


「……」


「おいおい、なに驚いた顔してんだよ。こんなギャグ技が、まさか、本気で通用すると思っていたのか? なワケないよな?」


 小馬鹿にしたようなその発言を無視して、

 ジャミは言う。


「……き、貴様のステータスは、『黒猿を使ったバロールと同じくらい』だったはず……」


 P型センエース1号は、既に戦闘力が『現闘のカンスト付近』まで達しているため、

 全力のバロールをも圧倒する事ができた、

 ――が、ステータス的には、黒猿バロールと同程度。


 つまり、まだ、神の領域には達していなかった。

 そして、それは、ほんの数十秒前の話。


 ※ ジャミは、出撃する前に、パメラノと一時的に視覚を共有したため、九華がボコられている様子は全て確認している。

 その際に、P1の能力はだいたい把握した。

 今も、ジャミのプロパティアイは、P1のステータスをデジタルにとらえている。

 P1のステータスでは、絶対にジャミには対抗できない。



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自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
[気になる点] 結局ゼノリカもシューリ以外はセンエースの実力知らないしP1が養分って言ってるのも納得してしまう...
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