表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
永久閃光龍神K章 センエース。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5898/5973

204話 これはもうダメかもわからんね。

挿絵(By みてみん)

自作コミカライズ版36話配信中!

下のリンクから、直接36話をダウンロードできるページに飛べるようにしてあります。

それを記念しての一日10話投稿!!


本日の3話目!!!!!


 204話 これはもうダメかもわからんね。


「あかん、あかん、これ、マジでやばい!!」


 圧に耐えるたび、装甲の下で筋繊維が音もなく裂ける。

 手甲の内壁が『内側』から膨らみ、鉚釘が一つ、二つ、弾け飛んだ。

 最後に、胸郭中央――核の留め具が、静かに、しかし決定的に外れる。


 大きな音は要らなかった。

 ただ、世界が一拍、軽くなった。

 ――意味は単純。鎧が壊れた。


「げぇ! エグゾが死んだぁああ!!」


 ここで、毘沙門天が悲鳴に先んじて動く。

 剣翼は残存していた三枚を即座に『逆位相回転』へ移行。

 円環盾の崩壊ログを読み取り、欠損した神字を補うために自らの刃身を犠牲リングへと変換した。

 刃は刃であることを捨て、縦横に走る格子へ。

 縁には『反射』『減衰』『散乱』の三句が短冊のように結ばれ、中心核の代用として小さな『仮心臓』が生成される。


 剣翼の影は床へ縫い付けられ、影そのものを補強材にする。


「毘沙門、がんばれ! もう、お前だけが頼りだ! 頼むから耐えてくれ! マジで頑張れ! 俺が死んでもいいのか! 俺が死んだら俺は絶滅するんだぞぉおおおおお!!」


 格子は呼吸し、色のない光に合わせて目に見えない微振動を刻み、波長の山だけを叩いて潰す。

 エネルギーの束は幾度も屈折し、刃先で砕かれ、格子の隙間で鈍る。

 センの前面に、かろうじて『生の空洞』が保たれる。


 だが、限界は早かった。

 格子の交点で、ひとつ、またひとつ、符が欠ける。

 緊急生成した仮心臓は本来の核ほどの耐熱を持たない。

 内側で熱が回り、接合線が白く泡立って――


 ビキ……ビキビキ……ッ。


 嫌な音が、刃の根から立ちのぼる。

 格子の一本が撓んで戻らず、別の一本に負荷が走り、連鎖する。

 補修の神字は追いつかない。読み上げが崩れ、詩がどもる。


 ――間に合わせの骨組みが、荷重で折れ始めた。


「びしゃもぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!」


 欠けた剣翼が震え、残る文字列をかき集めて盾を編み直す。

 しかし異次元の照射は、盾の『理屈』をひとつずつ無効化していく。

 フチから白化し、芯まで痙攣けいれんし、符が読み崩れる。

 神字の画が、一本、また一本、すみで塗り消されたみたいに消えた。


 ――毘沙門天の『心臓』が止まる。


 鈍い破裂音。

 円環の核が、内側から粉を噴いて潰れた。


「マジか、これぇええええええええええええ! 俺の武器、全部死んだぁあああああああああああああ!! 毘沙門まで死ぬのは流石に想定外だぁあああ! やばいぃいいい! 本格的にまずいぃいいいいいいい!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
エグゾギアも毘沙門天も、 あれだけの負荷に耐え抜いたのが奇跡ですよ…! 本当に最高の防具・武器でした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ