表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
永久閃光龍神K章 センエース。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5889/5968

195話 保険だらけの裏切り。


 195話 保険だらけの裏切り。


 センが、砕けた呼吸の合間に笑う。


「……いい判断だ、17番……」


 ――17番は、ここまで、ずっと、

 『センに蹴り飛ばされて動けないふり』をしていた。

 17番は、ほぼノーダメ。

 それは、センが手抜かりなく手加減をしたから。


 センは、17番が表返る可能性に欠片ほどの賭けを置いていた。

 これまでの前提――わざとらしい失策、過剰な忠節の演技、アバターラに『魂魄交換の聖水』を回収させていた不可解。

 どれも、疑えと言わんばかりの匂い立つ布石だった。


「17番……お前は、ここまでにいくつか『ミスをした』と言っていたが、本当は全部わざとだろ? お前は、俺が勝つかセミディアベルが勝つか、最後の最後まで分からないと思っていた。だから、ずっと、ギリギリの駆け引きで、コウモリをしていた。そうだろう?」


「……大事なものを守るためならなんでもする。恥も外聞もない」


 17番はそう言ってから、視線をセミディアベルに戻す。

 片腕を失ってなお、悠然と立つ怪物へ、明確な憎悪を向けて。


「記憶も力も体も失って……それでも、センエースは、あなたとここまで拮抗している。これはとてもすごいことだ。……セミディアベル公爵……あなたに、それが出来るとは思えない」


「やろうと思えば、できなくもないさ。ナメないでほしいね」


「……そうっすね。できるかもしれない。あなたも特別だから。だから、これは、ただの感情論。ボクはあなたが嫌いだ。あなたとゼンドートは何度も9番を殺した。最終的には、9番を守るために、あなたの足をなめることを選んだけど……本音を言えば、あなたのことを殺したいほど恨んでいる」


 空気が乾く。

 17番は振り返らず、影に声を落とした。


「……セン……アバターラは『アマルガムコア』も手に入れているはず。……使ってくれ。許可をだすから」


 センが片眉を上げる。


「アマル……それはなんだ?」


「エグゾギアを合体させることができるパーツ。修羅と魔王を合体させるんだ。それでセミディアベルを殺せ」


 ――応答はセンの奥から聞こえる。

 センの中に根付いたアバターラが、叫ぶように、


(もとよりそのつもりだ!)


 そんな宣言の直後、

 胸腔きょうくうの奥で『黒金の心臓めいた核』が脈動した。

 ――アマルガムコア。 

 神字の格子が立方体の心臓に編まれ、

 各面で異なる詩が明滅する。


 核が開く。

 短句が交差し、二つの名が呼ばれる。


  『修羅OS――招請しょうせい

  『魔王OS――招請しょうせい


 センの背で、エグゾギア【修羅】の紅い骨格がうなり、

 同時に、【魔王】の黒鉄装が低く唸って重なり合う。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
センが17番を信じ、17番がその信頼に応える、 これまでの伏線と駆け引きが、 最高のタイミングで回収されていく展開に、 もう引き込まれっぱなしです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ