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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
永久閃光龍神K章 センエース。

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192話 永久に共に。


 192話 永久に共に。


「さようなら、セミディアベル公爵閣下」


「開いたよ」


「開いた? ケツの穴が? いい歳こいて漏らすなよ、みっともねぇ」


「可能性のカオス……私はまだ、高く飛ぶ。君と共に、永久とわ瀟洒しょうしゃに」


 言葉が落ちきるより早く、

 装甲の符が裏返るように組み替わり、

 肩・胸・腰のプレートが段階的に増層。


 継ぎ目の内側から赤黒い光脈が噴き出して、

 空気の層を焼き、背の推進孔は裂け芽のように増殖する。


 胸郭の下で、見えない渦が反転する。

 鎧の腹部が薄く開き、真紅の兆しがひとかけら覗く――核が息をした。


 ――エグゾギアが、境界線を越える。


 装甲のレイヤーが噛み合うたびに、カチリ、と現実の歯車がかみ直される乾いた手応え。


「……これこそがエグゾギアの真髄……『パーフェクトエグゾギア【混沌】』だ。……どうかな、センエース。この高み。この狂気」


 ゴリゴリにごつくなった装甲の輪郭が、粗暴なまでの完成度で、場の法則を押し広げる。


 センエースは渋い顔で、額に手を当てて天を仰いだ。


「……いや……えぇ……いや……今、負けてんのはこっちなんだから、覚醒するとしたらこっちだろ……なんで、『優勢な方』が爆発的に覚醒して、より強くなってんだよ……」


「……そうだね。こっちが強くなるのは、現状だとおかし……ん?」


「え、なに? 無茶がたたって、どっか壊れた? さもありなん。それだけ過剰な進化を遂げれば、どこかにしわ寄せや負担が積み上がるもの。終わったな。貴様は死ぬ。さようなら、セミディアベル公爵閣下。おめぇはすげぇよ。よく頑張った。たった一人で。全然一人じゃないという点に目をつむればの話だが」


「もう一つ開いたよ……まさか、ここまで加速度的に覚醒するとは思っていなかったな……やはり、君という狂気の経験値はハンパじゃないらしい」


 言葉の落下点に、鎧の表面が静かに壊れた。

 砕けるのではない。


 ――『余剰』が、礼儀正しく席を空けるみたいに剥がれ落ちる。

 肩の重装板が薄片になって空気へ溶け、

 胸郭を覆っていた層は数式の蝶に変わって散り、

 腰の環は細い輪郭線ひとつにまで削ぎ落ちる。


 継ぎ目の光脈は赤黒から銀白へ――そして透明へ。

 密度は増すのに、厚みが消える。

 背の推進孔の数は変わらないが、

 形状だけが極端に洗練され、

 噴流の音が『爆ぜる』から『歌う』へ遷移した。


 蝉原がたどり着いた極限。

 それは、

 ――専用パーフェクトエグゾギア【波動混沌】。


 ごつさはがれ、輪郭は刃物の薄さで研ぎ直される。

 セミディアベルは、鎧を着ているのではない。波形を着ていた。



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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
鳥肌立ちました!【波動混沌】への進化、格好良すぎます! 密度は増すのに、厚みが消える、 噴流の音が爆ぜるから歌うへ遷移といった、 表現の積み重ねが、 究極の領域に到達したことがビンビン伝わってきます…
波動混沌はセンエースのやばそうな神化の破道混沌/黒蛇邪気眼と関係はありそう。 というか、破道混沌/黒蛇邪気眼って一体何なんだ。 やばそう以外分からない。
2025/10/27 10:33 カレーの神(笑)
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