表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
永久閃光龍神K章 センエース。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5875/5925

181話 なんでもありの代償。


 181話 なんでもありの代償。


 ――サイコジョーカー、起動。


 吹き上がる魔力は爆炎そのもの。

 熱風となって押し寄せ、視界を焼き尽くす。

 数値の桁が膨張し、存在そのものが膨れ上がっていく様が、根源的恐怖を刻む。


「ぐ……はぁ、ああああっ……!」


 裂けるような叫びとともに、ゼンドートのオーラが拡散する。

 地面が砕け、空気そのものが大いに震えた。

 肉体という器を超え、魂魄そのものが燃え盛っているかのようだった。


 瞬きの間に100京を突破。

 さらに120京を超え、

 最終的に130京に到達した。


「……す、素晴らしい力。これなら、センエースを超えている」


 恍惚と呟くゼンドート。

 その意識の奥で、冷笑と共にセミディアベル公爵の声が響く。


(それだけじゃないよ。――センエースを見てごらん)


 促されるまま視線を移す。

 そこにいたセンエースは、わずかに顔を歪め、額に汗を浮かべていた。

 強靭な肉体と精神を誇るはずの男が、明確に苦しみに蝕まれている。


 自分の身体の異変に震えながら、センエースはボソっと呟く。


「ん……これは……サイコジョーカーの……苦しみ……? なんで……」


 膝がわずかに折れ、荒い呼吸の合間に苦悶が滲む。

 堅牢だった姿勢が揺らぎ、その表情に人間的な脆さが覗いた。


 セミディアベル公爵はゼンドートの中で愉快そうに嗤った。


(サイコジョーカーの恩恵だけを私が吸い上げ、代償である『苦痛』の部分だけをセンエースに押し付けた。どうだい、悪辣にして非凡な、非常に美しいプランだろう?)


「……えぐすぎる……こんなことが出来ていいのか……本当に、なんでもありすぎる……」


 ゼンドートですら、震えを含んだ声を漏らす。

 その瞳に、明確な畏怖が走っていた。


 ――センエースは額を押さえ、

 奥歯を噛みしめ、

 うねる痛みに耐えながら吐き出した。


「サイコジョーカーを使っているのは……向こうのはずなのに……なぜ、俺が苦しんでいる……意味がわからん――」


 そこでゼンドートが、冷静に言葉を差し挟む。


「……セミディアベル公爵が言うには、君にサイコジョーカーの代償を押し付けているとのことだ」


「はぁ? え、それで、お前は強くなってんの? 俺が苦しんで、お前が強くなる? アホか。そんなこと許されてたまるか。ルールもへったくれもねぇじゃねぇか――」


「僕もそう思う。だが……セミディアベル公爵なら、ありえないことを平然とやってのける」


「…………」


 沈黙ののち、センエースはゆっくりと顔を上げた。

 ぎらりと光を帯びる双眸そうぼうが理不尽を睨みつける。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
永久閃光B章189話 「凄いね……気づいているかい、ゼンドウ。君の『自分は絶対に正しい』は、先ほど、あの女の頭をふっとばした瞬間に、ワンランク上の次元に進化した」 ゼンドウの『自分は絶対に正しい…
マジで意味分からん無茶苦茶技使ってきやがった 代償の押しつけって... サイコジョーカーの負荷を受けてても立って喋れることに 読者含めて誰も疑問を抱かなくなってるのがセンエースだなと思う 初期はどこぞ…
サイコジョーカー押し付けなんて、それ一つで弩級の技として通用しますよね...どういう前提を積んでこの結果を出したんだろう。こういうよくわかんないことは大体スペシャルとイスさんとソルさんが悪さしてますよ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ