152話 サタンソウルゲート。
152話 サタンソウルゲート。
戦闘力を鍛えることはできるが、存在値を底上げすることは出来ない。
扉は周囲の者にも見えるが、中に入れるのは当事者だけであり、出た者は『入る前の記憶』と『内部での記憶』が重なった状態で戻ってくる。
――センの頭には、ソウルゲートの知識があった。
しかし、サタンソウルゲートという亜種に関しての知識は全くない。
説明書を読みこんで、センは、このサタンソウルゲートを理解した。
「使用できる時間に限界がある代わりに、戦闘力だけではなく存在値も底上げできる、特殊仕様のソウルゲート……か。なるほど、いいねぇ」
メリットを正しく理解した上で、
センは、デメリットも頭にたたきこむ。
「使用できる時間は……最大で9兆年……か」
その呟きに対し、
センの中にいる17番が、ボソっと、
(9兆年って……これ、実質、制限なんかないってことだよね)
その発言に対し、センは、
「ソウルゲートが使えるようになるのはありがたいが……たったの9兆年か……」
と、まるで、『鬼嫁を持つサラリーマンが、自分の小遣いの少なさを嘆く』ように、そうつぶやきつつ、アイテムボックスの中に、チケットを大事そうにしまい込んだ。
17番が、人外のキチ○イを見る目で、
(い、いや……9兆だよ? 9年でも9万年でもなく、9兆年だよ?)
「ゼンドートのヤバさを踏まえて考えると、出来れば、50京年ぐらいは欲しかったところだが……」
(ぇ、あのさ……多分、シャレだろうから、ネタにマジレスするのもどうかと思うんだけど……マジで50京年できるなら、やっていたの?)
「この世で最も愚かな質問の一つだな。お前は今まで食べたパンの枚数を覚えているのか?」
(その返答は、つまり、どっち? やるってこと? やらないってこと? 難しいんだけど)
「9兆年はともかく、50京年なんか無理に決まってんだろ。常識で考えろ」
(常識で考えたら、9兆年なんか絶対にムリなんだよ)
などと、言い合っていると、
そこで、背後から、
「――流石だね、センエース。この世界で最も優れた魂魄の持ち主は、やはり格が違った。この速度で、エルファを討伐できるのは、いくら世界広しといえど、君ぐらいだろう」
「……セミディアベル公爵……その程度なら、私でも可能です。あの男だけを特別優れていると評価するのは不愉快ですよ」
「ゼンドートくん、もちろん、君もできるさ。いちいち言うまでもないことを口にするのは野暮というものだよ」
今回の35をご購入いただいた読者様へ、本当にありがとうございます!!
いつも以上に難産でしたが、どうにか、センエースらしさは出せたかなぁ、
と思っております!
ご購入いただけました読者様には、少しでも楽しんでいただければと切に願っております!
ブースト支援をしてくださっている読者様……
本当にありがとう<m(__)m>
おかげさまで……本当に、おかげ様で、どうにか続けることができております!!




