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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
永久閃光龍神K章 センエース。

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144話 Lファー。

挿絵(By みてみん)

自作コミカライズ版35話配信中!

下のリンクから、直接35話をダウンロードできるページに飛べるようにしてあります。

それを記念しての一日10話投稿!!


本日の7話目!


 144話 Lファー。


 髪は闇の糸のように滑り、外套がいとうは夜の布で仕立てられている。

 体躯は中性的で、過不足なく整い、男とも女とも断じがたい輪郭。

 仮面は白磁、目の部分だけが長く細く切られ、口元には薄金の筆致が一閃。

 体温は拒むのに、視線だけは冷ややかにこちらの寸法を測っていた。


 その仮面魔王は静かに立ち上がる。

 衣も椅子も音を立てない。

 立ち上がるという動作そのものが空気の張りを改め、広間の遠心にさざ波を放った。


「――僕は『エルファ・オルゴレアム』。……それ以外で、語るべき名を持たぬ者」


 声は壁が返す前に届いた。

 低くはないのに重さがあり、威圧ではないのに膝裏の筋がわずかに縮む。

 名乗りのあと、仮面の奥の呼吸だけが、城の静けさと同じ拍で続いた。


 そんなエルファに、センは、


「なるほど、『エルファ・オルゴレアム』は『エルファ・オルゴレアム』以外の何者でもない。それ以上でもそれ以下でもない……ということですね、わかります」


 と、ファントムトークで返しつつ、

 じっくりと、全身のオーラと魔力を充満させていく。


「俺からしても、お前の詳細とかはどうでもいい。お前がどこの誰で、どんな過去を背負っているかとか……一切合切、一ミリも興味ない。俺の興味は、お前を殺したあとに手に入るコンプリートボーナスだけだ」


 そう宣言しつつ、

 神眼モノクルで、エルファ・オルゴレアムの力を確認する。


(……『存在値9999兆』……ヤバいねぇ。カンストしてんじゃん)


 99本目の超魔王の存在値が『3000兆』だった。

 それでも、相当にえぐい強さだったわけだが、

 目の前にいるエルファ・オルゴレアムは、その3倍以上。


 センは深呼吸で気血を整えつつ、


「一応聞いておこうか。……もし、『死にたくない』ってんなら、見逃してやってもいいぞ。コンプリートボーナスはもらうけどなぁ」


「僕を倒さなければ秘宝は手に入らない」


「そうかい。そいつは困ったな。ちなみに、死にたい?」


「僕は死なない。死ぬ可能性があるとしたら、あなただけだ」


「それは、お前が俺を殺すから?」


「その通り」


「お前が俺に殺意満点なのは、俺が不法侵入者だから?」


「違う。あなたが『命』だから。この世界に存在する命は、僕が全て滅ぼす」


「ようするに、それは……俺を殺したら、この城を出て、外の生き物を襲うってこと?」


「そのとおり」


「いいねぇ。そうこなくちゃ」


 そう言いながら、センは何度かジャンプをして体軸を整えてから、

 ――ピタっと停止し、丁寧な武を構えると、


「……行くぞ、エルファ・オルゴレアム。殺してやる」



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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
ラスボスが魔王ルシファーのフラグメントを持った何かってのはええなあ。 伏線的にはメリークルシミマスのLカスタムかな。 永久閃光龍神K章37話 『メリークルシミマス/Lカスタム』 「孫悟空の頭のワッカ…
存在値9999兆とか、もう桁が意味をなさない! エルファの異質さと、 それを受けて立つセンの覚悟に鳥肌が立ちました。 殺してやるのシンプルな一言が重すぎる。
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