138話 超うるせぇ。
138話 超うるせぇ。
成長仕様:経験値の追加投資と適合調整により、段階的にさらに延伸(理論上の上限なし)。
ただし必要経験値は逓増し、生体負荷も稼働時間に比例して段階的に上昇。
主要機能
RUNTIME CEILING:初期05:00 → 当面の推奨安全域30:00。以後、経験値投資ごとに段階解放(例:30→45→60→…)。
CAPACITY BUFFER:受電層の余剰バッファを環境依存で約2割前後拡張。
SYNC MARGIN:位相ズレ許容の微拡大(暴走抑止ではなく遅延吸収目的)。
※出力曲線は上がらない。伸びるのは時間だけ。時間を買う代わりに身体は高利で借金します。
生体インターフェース挙動(蛇の慈悲 併用時の体感目安)
0〜10分:通常域
回復の『持ち』は基準。自律神経は可逆。
10〜20分:過負荷域Ⅰ
同じ回復でも効きが目に見えて落ちる。交感優位が固定化し、末梢冷汗・心悸亢進。
20〜30分:過負荷域Ⅱ
前借りの利息が跳ね上がる。蛇の慈悲の再充填効率が急落。視野狭窄、反応遅延。
30〜45分:過負荷域Ⅲ(拡張運用)
心筋伝導の乱れ(期外収縮群発/PQ延長傾向)。熱だまりによる整流位相のブレが出始める。
45〜60分:過負荷域Ⅳ(要覚悟)
房室ブロック軽度リスク。蛇の慈悲の『効き』は薄紙一枚。脳の遂行機能が顕著に鈍る。
60分以降:臨界域(非常運用)
AEGが心筋保護優先のサージ・シャットダウン手順へ移行しやすくなる。倒れる前提の討ち切り以外は非推奨。
長く回すほど、蛇の慈悲は『体力の前借り』が複利で膨らむ感覚になり、休止を挟んでも回復の立ち上がりが鈍い時間が延びる。
リスク/注意
心筋伝導系:10分超で期外収縮増加、30分超で伝導遅延の兆候、45分超で稀に房室ブロック軽度。
自律神経:高カテコラミン状態の固定化、末梢灌流低下、振戦。
熱管理:天井超過で神字整流の位相乱れ→制御遅延→誤差蓄積。
神経筋:終板電位の萎み、伝達効率低下、筋グリコーゲン枯渇。
認知系:遂行機能の鈍化、トンネル視、当て勘の劣化。
累積性:長時間運用を重ねるほど、次回以降の初動回復が鈍化(一時的な『底上げ疲労』)。
警告:休止なしの連戦はリスクを段階的に増大させます。稼働時間を延ばすほど身体への請求書は厚くなります。
推奨運用
Dutyサイクル(基準):〈稼働 7–9分〉→〈座禅休止(蛇の慈悲)9分〉→再稼働。
拡張運用:10分手前で一度落として再点火。30分超の連続運用は最終局面限定で退避計画を事前に。
段階解放時の慣らし:新しい上限を解放した直後は短時間×数セットで自律神経を再調律してから長尺に。
※本モジュールは時間を買う装置であって、力を盛る装置ではない。
上限を伸ばせば伸ばすほど、勝負の伸び代と引き換えに寿命の目減りが進む。
運用は覚悟と計画の範囲で。
――などなど、色々、ごちゃごちゃと詳細が書いてあったが、
大事なことは以下の点。
「……エグゾギアの稼働時間を増やすことができるのか。ありがたいねぇ。稼働時間が増えて困ることはない。ここで魔王を殺す時は勿論のこと、最終決戦でゼンドートを殺す時も」




