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53話 胸騒ぎ。


 53話 胸騒ぎ。



 パメラノの『不安が漏れ出ている発言』を受けて、アルキントゥが言う。


「胸騒ぎ……ですか?」


「うむ。ただの気のせいならいいんじゃが、わしの嫌な予感は、異常なくらい当たるからのう……世界大戦の時も、虫の時も、愚神の時も、この胸騒ぎはあった……」


 そこで、ジャミが、


「だから、今日は、いつもより少しピリついていたのですね」


「敬語はやめろと何回言わせるんじゃ。『神の領域』に辿り着いた『偉大なる超越者』が、わしごときにへりくだるな、このバカもんが」


「……し、失礼」


 そこで、パメラノは、胸をかきむしり、


「――いかんな、胸騒ぎが止まらん。やはり、ワシもいこう。アルキントゥ、ぬしもこい」


「さすがに、それは過剰戦力が過ぎるのでは――」


「いいから、こい。ジャミ、ぬしは、万が一にそなえ、五聖命王の方々に連絡を入れておけ」




 ★




 ――数分前。

 百済の要請を受けて救援に向かったカティは、現場に辿り着くと同時、

 まるで、ストレスをぶつけるかのように、


「死ね、ごらぁああああああ!」


 拳に、大量の魔力を込めて、

 百済の面々をボコボコにしていたP型センエース1号の顔面に叩き込んだ。


「どぅおぁっ!!」


 パメラノに叱れた『情けなさ』がこめられた一撃を受けた『P型センエースの顔面』は爆散しながら吹っ飛んで、潰れたザクロのようになった。


「カスがぁ……てめぇがバカみたいに暴れてなきゃ、パメラノ殿に怒られる事もなかったんだ……くそが……ぺっ」


 P型センエース1号の死体にツバをはくカティ。

 そのままの勢いで、ボコボコにされている百済の面々に視線をうつし、


「で、これ、どういう状況? 具体的に説明――」


 と、説明を求めようとしたが、しかし、


「……ん?」


 P型センエース1号の死体は、妙な光に包まれて、直後、


「……ぶはぁ……」


 かすり傷一つついていない完全な新品の状態で『その場に転生』し、


「さすが、九華……天下の連中とは一味違うな……ハンパねぇ一撃だった……」


 復活したP型センエース1号の姿を目の当たりにしたカティは、

 いぶかしげな顔をして、


「……頭を潰しても発動するタイプか……厄介な自動蘇生スキルね……」


 緊急要請の段階で、P型センエース1号が、その手のスキルを持っているとは聞いていた。

 蘇生系のスキルを持つ者は珍しいが、いないワケじゃない。

 だから、その程度は、驚くに値しない。


 問題なのは、再生系のスキルは、大概、コアを壊せば発動しなくなり、コアの場所は、たいがい頭部だということ。

 それを知っているカティは、『完全にブチ殺そう』と、ピンポイントでP型センエース1号の頭部を爆散させたのだった。

 しかし、どうやら関係がなかったようで、普通に再生されてしまった。


「もしかして、魔力が枯渇するまで発動するタイプか? ……厄介……」


 言いながら、ウルトラバイオレット006に視線を向けて、


「現時点までに、何回殺した?」


 ボソっとそうつぶやいたカティに、UV6が、全身の痛みに耐えながら、


「IR3が殺した分もあわせれば、20回をこえています! しかし、そのバケモノ、まったく自動蘇生ペースが衰えることはなく、それどころか、死んで蘇生するたびに強くなります! 正直、自動蘇生よりも、『そちら』の方がはるかに問題です! 強くなるペースが異常なほどはやいのです! カティ猊下! お気をつけて!」


「……大量のオーラと魔力を喰うであろう自動蘇生スキルがすでに20回以上発動していながら、ペースがまったく衰えず……どころか、発動するたびに強くなる? そんなふざけたスキルがあっていいのか……まったく……」




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自作コミカライズ版35話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
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