113話 22日。
113話 22日。
結果、17番は、
『最年少辺境伯になったぞぉおお! しゃおらぁあ!』
『おめでとうございます! さすが、センパイは格が違った!』
※
その後も色々あって、順調に出世を重ねた17番。
そして、最終的には大公の地位まで上り詰めましたとさ。
めでたし、めでたし。
~||||||||~~~~~~~~====~~~~~~~~~
ゼンドートが暴れ出してみんな死んだ……
世界は終わった……
誰か助けて……
ボクでは無理だ。
多分、誰も無理。
ゼンドートには……誰も勝てない……
せめて、9番だけでも……
……お願いだから……助けて……
~||||||||~~~~~~~~====~~~~~~~~~
★
《雅暦1001年7月22日深夜》
『存在値5000を超えている魔王』をほぼワンパンでブチ殺し、
『15個目(セン単体で集めた数)』の『毘沙門天パーツ』を手に入れた直後のこと。
センは、ダンジョン最終フロアの中央で、
アスクレピオスの杖を静かに床へ立て、
ソっと座禅を組み、回復魔法『蛇の慈悲』を使用。
――ダンジョン最終フロアで、座禅を組んで、気血の全てを静かに鎮めていくセン。
センは、肉体の回復に集中したまま、
自分の『中』にいる17番に、
「時間を無駄にしたくない。17番、お前が経験した『ここからの未来』を教えてくれ。ここから先、何がどうなって、31日に、ゼンドートと殺しあうことになる?」
(……前提として……最初の周で、ボクは大公まで出世したんだけど……)
「マジかよ。あと10日で? え、お前、10日で、男爵から大公になったの? ラストローズやセミディアベルやパメラノコットより上の地位に10日で?!」
(……………………うん。そうだよ)
「なんの間だよ」
(経緯を説明しようかと思ったけど、どう頑張っても長くなると思ったから、諦めた。ちなみに、31日までの間に、『特に気にかけるような大きな事件』とかはないよ。たんたんと、粛々と、魔王を暴れさせて、混乱している都市をボクが助ける。ソレを繰り返して出世した。それだけ。何日に何をどうして、どのタイミングで出世したか……詳しく説明してもいいけど、8時間ぐらいかかるよ)
「……重要事項だけを、8分以内にまとめてくれ」
(……爆速で出世して大公になったボクは、君を追い出す方法を考えていた。追い出すだけなら薬でどうにかなるけど、大公になるまで協力してくれた君を『裸(魂)一貫』で追い出すほどボクは鬼じゃない。君の記憶と体をどうしようと考えていた矢先、ゼンドートが前触れもなく、都市の人間を殺し出した)




