106話 生理的に無理。
106話 生理的に無理。
10日の午後。
17番は、トバヒトにも挨拶に向かった。
……その場には、8番と14番も同行している。
『――というわけで、これからはセミディアベル公爵に代わり、ボクが、顧問を務めますので。よろしくです。あ、あと、エリア統治の補佐もよろしくです』
『まっていましたよ。猿の17番。あなたの補佐になるよう命じられてはいますが、私とあなたの爵位は同じ子爵ですので、無意味にへりくだるようなマネはしません。そこのところ、なにとぞ、よろしくお願いたします』
『という割には、ずいぶんと口調が丁寧ですね』
『こういうのを慇懃無礼というのですよ、猿の17番。覚えておいた方がよろしいかと』
にっこりと、悪意で一杯の笑みを浮かべるトバヒト。
17番に対する嫌悪感や不快感を隠そうともしていない。
まだ数ラリーの会話しかかわしていないが、
17番は、即座に、
(あ、無理。この人、生理的に無理。ポルより嫌い)
と、『魂』が『強い嫌悪感』を示した。
――それでも、仕事なので、17番は、
『えっと……で、ボクの後ろにいる二人は、あなたに話があるというのでお連れしました』
そう言って後ろに下がる17番。
交代するように、14番と8番が、ズイっと前に出て、
『ウチの部屋住みを無意味に殺した詫びとして、2000万ユウガを払ってもらう! 断るなら、この場で貴様を殺す!』
と脅しつけた直後、
かぶさるようにして、8番が、
『ウチの構成員を殺してくれた詫びもよろしくね。バカみたいにたくさん殺してくれたから請求量も莫大になるのだけれど……色をつけて、5億ほどにまけさせてもらうわ。よかったわね』
と、そんな風に、正面から怒りをぶつけてくる二人に、
トバヒトは、ニコリと微笑んで、
『なんのことかさっぱり』
『がはははは! 流石に、それは無理があるだろう、トバヒトぉ! ウチの若いのを殺した刺客も、8番のところの組員を殺しまくった刺客も、全員、お前に命じられたと言っているんだ!』
『あなたもヤクザの頭なのだから、みっともなくあがくのはやめて、払うか殺されるか、堂々と選んだら?』
と、そこで、トバヒトは、
『申し訳ありません』
と、一度、深く頭を下げてから、
3秒ほど待って、スっと顔をあげると、
『何の話をされているのか、私ではわかりかねます。もしかしたら、ウチの組員の誰かが、勝手にカチコミにいったのかもしれませんが……なにせ、ウチは数が多いもので……魔王使いのアバターラにだいぶ削られはしましたが、それでも、その数は膨大。ゆえに、一人一人を完璧に統治することは難しいのです。こんな、統率力に問題がある私だから、今回、領主から領主補佐へと格下げをくらったのでしょうね。お恥ずかしい限りです』
今日も、8時前ぐらいに、
センエース日本編を7話公開します(*´▽`*)




