104話 10日。
104話 10日。
『14番……あなたの理想は眩しいけれど、絶対に叶わない夢を抱くのは、何もしない怠慢と変わらない……と私は思う』
『絶対に叶わないと考えている時点で、貴様の世界は閉じている!』
『それは、言葉遊びよ、14番。本気で世界を変えたいなら、理想と現実の間に、絶対的な線引きをすべき』
ゴリゴリに、殴り合い寸前の勢いで、朝まで生討論しあった結果、
『お互いがお互いの理想を求めていく。その中で交わる部分は協力しあう』という結論に落ち着いた。
お互い、納得はしていないが、しかし、『おしゃべりだけしていても世界は変わらない』と知っているので、ある程度のところで区切りをつけて動き出したのである。
『とりあえず、現魔王組のトップ、【トバヒト】は確実に殺しておく必要がある! あいつはゴミだ! 生きている価値のない公害! 今までは、セミディアベルに守られていて、手出しできなかったが、このメンツならいけるだろう! がはははははは!』
『まだよ。まだ、セミディアベル公爵に表立って反逆すべきじゃないわ。公爵の息がかかった貴族を殺すということは、全面戦争になるということ。流石に、この戦力だと――』
『今すぐに、と言っているのではない! この先、反セミディアベル勢力を伸ばしていき、本格的に全面戦争になった時に、あのゴミだけは確実に殺すべきだと言っている!』
『……それなら……同意する。あいつはゴミ。ウチの組員が、あいつのところの鉄砲玉に何人も殺されている。絶対に許さない』
『貴様のところもか?! ウチも部屋住みがやられた!』
『部屋住みを? 部屋住みは正式な組員じゃない見習い……子供のようなものだから、手を出すのはご法度のはず』
『あえてだろう! ワシを怒らせて何がしたいのか知らんがなぁ! 流石に全面戦争をする気はないだろうが、嫌がらせにしては、あまりに悪意が過ぎる! あいつは腹の底がまったく見えん! だから、嫌いだ!』
★
『10日』の朝。
実質的な魔王組のトップ『トバヒト子爵』は、
なかなか立派な『小悪党』であり、
魔王組という大手ヤクザを好き放題活用して、
私腹を肥やしに肥やしていた。
そんな彼だから、
ヤクザのくせに人道を大事にする『8番』や『14番』が大嫌いだった。
『8番と14番が、トバヒトを殺そうとしている裏』で、
トバヒトもまた、『8番と14番を殺せないか』と画策していた。
(巷を騒がせている、魔王使いのアバターラ。……やつの力をうまく利用すれば、鬱陶しいラストローズやパメラノコットを殺すことだってできるだろう。セミディアベルを殺せたら最高なんだが、流石に、あの悪魔を殺すことは出来ないだろうな……)
めちゃくちゃギリギリ……
21時までにはなんとか調整します。
センエース日本編。楽しみにしていてください。
マジで面白い……と思います(*´▽`*)
21時ごろに、本編3話目と、センエース日本編を配信します!
楽しんでもらえたら幸いです!




