103話 全ての汚物を消毒した世界。
今日は7周年記念日!
というわけで、一日3話投稿します!
そして、21時過ぎから、新作「センエース日本編」の連載を開始します!
・スケジュール
:本編 朝、夕方、夜9時過ぎ。
:日本編 夜9時過ぎ。
103話 全ての汚物を消毒した世界。
無茶苦茶を言っている14番を、17番は、『魔王の力』で黙らせようとする……
が、14番は、何をしても倒れなかった。
とてつもない耐久力。
莫大な体力。
狂ったようなHP。
どれだけダメージを与えても、ギャグマンガのキャラみたいに、次の瞬間には、服も体も、元通り、元気いっぱい勇気リンリン。
『ハチャメチャなスペックで全然倒れない14番』にイライラする17番。
★
その後、なんやかんやあって、17番は、14番と同盟を組むことにした。
『14番、あなたの根性と生命力には敬意を表するよ』
『貴様も、そこそこやるな。しかし、強いだけで、芯の部分が脆い気がする。もっと鍛錬しろ! 心を鍛え上げろ! そうすれば、貴様は、なかなかの器になる! がはははははは!』
『一つだけ聞きたいんだけど、体と服が一瞬で回復するアレはなに? 魔法?』
『魔法など使っておらん! ワシは生まれつき、そういう体質なのだ!』
(魔王を召喚できるボクが言うのもなんだけど、このオッサンも、たいがいチートだなぁ……)
すったもんだあって、運命共同体になった14番と17番。
――以降、ずっと、17番は、14番に全幅の信頼を置くことになる。
14番は、『17番に何か問題が発生した時』に『最初にすがりつく相手』となった。
鬼の14番は、敵だと思うと鬱陶しくて仕方がないが、
味方だと考えると、これほど頼もしいタンク&アタッカーはいない。
★
14番と同盟を組んだ直後、
14番の要望で、龍王会の元へと殴り込みに向かった17番。
龍王会トップは『大猩々(ごりら)の8番』。
彼女は2代目の会長で、
なんでも『初代がクソすぎたので殺して、後釜についた』という話。
8番は、なかなか話の分かる女だった。
クソな世界を変えたいと本気で考えて、虎視眈々と力を磨いていたタイプ。
……つまりは、14番と、方向性は同じだった。
14番と8番は、17番を介して、互いに腹を割り、理想を語り合った。
『本当なら、ヤクザなんて存在しない方がいい。しかし、それは幼稚な理想論で、現実的じゃない。必要悪という概念は事実として必要』
『いや、違う! ヤクザは皆殺しでいい! 己を律する覚悟の無い者が、のうのうと生きようとするなど許されざる傲慢!』
『だから、それは理想。誰もが、あなたのように強くなれるわけでは――』
『理想を求めなければ、いつまでたっても、【現実という名の拙い枠】の中で腐るだけ! ワシは求めるぞ! 全ての汚物を消毒した世界を!』




