94話 とても有能な人材だとは思えん。
日本編センエース、だいぶ面白く仕上がってきました(*´▽`*)
かなり楽しんでもらえると思います!
へたしたらBANされるかもしれない危険な内容なので、色々と注意しつつ鋭意作成中ですw
94話 とても有能な人材だとは思えん。
セミディアベル公爵は、ずっと、ニタニタ笑いながら、ぬるいジャブで17番を定期的に小突いている。
ほとんど力は入れていない様子なのだが、的確に急所やツボを狙ってくるので、
『うぉっ……』
ガクっと膝から崩れ落ちてしまう17番。
何がどうなってそうなっているのか、17番には一切不明だが、
謎に脳がクラクラして、視界がぐらぐらとブレている。
セミディアベル公爵は、『捕まえた蝉の足を引きちぎる時のサイコ小学生』のような顔でニタニタしながら、17番に、拍手をしつつ、
『素晴らしいよ、17番。君ほど優れた才能を持つ人間を見たことがない。君は天才だ』
と、間違いなく『本気ではないトーン』で、そう言ってきた。
公爵の発言は、ブサイク相手にイケメンイジリをするのと同じ、最低のノリ。
これは、『疑心暗鬼』だとか『人間不信』だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてない。
もっと『恐ろしいものの片鱗』を17番は味わったのだ。
そんなセミディアベル公爵を尻目に、パメラノコットは、17番が召喚したワンダーナイトと対峙しつつ、心の中で、
(これが、魔王特効の力を持つというウワサのワンダーナイト。……特に特別な力は感じないが……しかし、実際、こやつは、何度も、魔王使いのアバターラと戦い、撃退しておる。何かはあるんじゃろうが……しかし、本当に、何も感じん……)
セミディアベルはともかく、
パメラノコットは、17番の底力を知るために、
こうして、無茶な暴力をふるっている。
色々と試してみた結果、
パメラノコットは、
(……とても有能な人材だとは思えんが、ランクや資産の条件を全て満たしていて、かつ、明確な結果を出している以上、昇格させんワケにもいかんか……)
そんなこんなで、17番は、何がなんだか分からないまま、散々っぱら、ボッコボコにされた末に、
『……合格じゃ。あとのことはゼンドート伯爵に任せる。今日からぬしの爵位は男爵……地位に恥じぬ心技体の錬磨を心掛けること。よいな』
興味なさそうに、そう言い捨てて、さっさと帰っていくパメラノコット。
それに続くようにして、セミディアベル公爵が、
『素晴らしいよ、17番。君は最高に美しい』
『……具体的に、どの辺がよかったんですかね? 今のボク、一方的に殴られていただけで、いいところは一つもなかったと思うんですが……』
『君の右上腕骨内側上顆は芸術的だ。まるで右腕の骨のようだよ』
『………………なるほど。ありがとうございます。ちょっとだけ解読が難しかったですが、ボクに一切興味がないことだけは伝わりました』




