80話 若さの秘訣かい?
80話 若さの秘訣かい?
ミケは、最終的に、『ゼンドートとの決戦で尽力してくれた』から、結局、杞憂ではあったのだけれど……でも、今でも、どこかで、ずっと、17番は、ミケに対して、『一抹の危うさ』を感じている。
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22日の夜。
『グルカゴンの地下迷宮』で、99番のパワーレベリングをするべきかどうか相談をした。
結構長尺で話し合った末に、『これ以上急激に強くなりすぎると怪しまれるだろう』という結論になり、レベリングは一時完全に中断ということになった。
サクサクっとダンジョンを攻略して、魔王に挑戦。
――ここで、魔王が『3体』も出てきて、17番も99番も大いに驚いた。
17番は、もてる全てを使って、3体のダンジョン魔王に挑んだ。
想定外の事態にあたふたしつつも、必死に魔王に指示をだし、どうにか、この場を乗り切ろうと必死に頑張った……が、流石に、数分程度では『3体を殺し切ること』はできなかった。
時間一杯を効率的に使って、どうにか2体を殺すことに成功したが、
最後の1体が殺しきれないまま、タイムアップで、味方の魔王が消えてしまった。
――絶体絶命。
ダンジョン魔王は、『17番が信頼する魔王、パリピーニャとマパネット』の奮闘のおかげで、かなりのダメージを受けているが、
流石に、17番と99番だけで魔王を殺し切ることは不可能。
流石にもう死ぬしかない……
と、思った、その時、
「――若さの秘訣かい?」
なぜか、この場に、『アバターラ』と『5番』と『10番』が登場。
『な、なんでここに?!』
と驚く17番を尻目に、
アバターラは、堂々と、
『あとでいう。今はこいつを殺す』
そう宣言したのち、
『ヤクザから強奪しまくった大量のマジックアイテム』と、
『寝る間も惜しんで磨き上げた拳』で、
必死に食らいつき、どうにか、魔王を削り切ることに成功したアバターラ。
『ま、マジで? アバターラのやつ……素手で魔王を殺した……うそだろ……え、だって、アバターラは、ボクの分身だから、ボクとステータスが一緒なんだよ? それなのに……魔王を……素手……ぇえ……いくらなんでも、それは、ありえなくない……?』
魔王を殴り殺したアバターラに、
17番は、
『アバターラ……きみ、どうやって、ここに? さすがに、出張所には、魔王使いアバターラの手配書が回っているはずだから、通行証は買えないはずだけど』
『普通に、お前の影に潜んで』
『……影?』
『奪い取ったマジックアイテムの中に、そういうのがあってな』




