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37話 『ウルトラバイオレット006』と『インディゴ005』と『バイオレット001』


 37話 『ウルトラバイオレット006』と『インディゴ005』と『バイオレット001』


 IR3は、全力で抗った。

 それまでの人生で磨いてきた全てを賭した。

 なにもかも、あますことなく、すべてをぶつけた。


 ――しかし、


「勝てるわけねぇだろ。俺はセンエースだぜ? お前みたいなザコが、何千年、何万年、何億年、何兆年……たとえ、無限の努力を積み重ねようと、お前ごときじゃ、センエースには勝てない。なぜなら、センエースは最強だから。それが世界の真理だから」


「……くっ……ぅ……」


 地に伏しているIR3。

 飛ばされた肢体は、回復魔法でどうにか対処したが、その後も、何度か肢体を飛ばれて、そのつど、回復していたが、ついには魔力が枯渇してしまい、今では、右腕と左足がなくなっている。



「足と腕は戻してやるよ。そのままにしていたら、魔力が完全に切れた時、出血多量で死ぬからなぁ」


 言いながら、P型センエースは、IR3の体を元に戻す。

 ただ、体躯を整えただけなので、体力等は回復していない。



「貴様の施しなど……」



「施し? バカか。慈悲で治したんじゃねぇ。最初に言っただろ。俺はゼノリカを壊滅させるって」


「……」


「皆殺しにする事だけが壊滅させたってことじゃねぇ。お前らは、俺に全部を奪われる。ゼノリカという組織は死に、俺のためだけの養分になる」


「よう……ぶん……」


 と、そこで、P型センエースは、




「……っ……感知されたな……迅速な対応。本当に優秀だぜ。……えーっと、『ウルトラバイオレット006』と……『インディゴ005』と……『バイオレット001』か……なかなかのメンツじゃねぇか。バ火力一騎とサポート二匹……しっかりとした殺意満点。……それでいい……」




 感知した熱反応に対する脳内解析を行いつつ、

 IR3に右手の掌を向けて、



「次のお客さんの相手はしないといけないんでなぁ……もう、お前と遊んでいる余裕はない。というわけで、お前は隅で寝てろ。――心殺呪縛ランク20」



 かなり高位の呪縛を使われて、IR3は動けなくなった。

 抵抗を試みるが、ビクともしない。

 ――そして、そのまま、


「ここからのお前は、ただの観客だ。何も出来ない人形となって、ひたすらに、絶望だけを数えていればいい。閉鎖空間ランク20」


 P型センエース1号は、『外からの攻撃を遮断する空間』をつくり、

 動けなくなったIR3の肉体を、その中へと放り込む。



 ――と、ちょうど、その直後、

 数十秒前に、IR3からの応援要請を受けた百済のメンツが三名、かけつけて、


「おいおい、マジでIR3、拘束されてんじゃねぇか」

「しかも、相手は無傷……」

「自動蘇生スキルか……厄介ね」


「IR3が既に複数回殺している。もう何度か殺せば飛ばせるだろう」

「このこと、一応、上へ報告しておきたい……」

「必要あるかしら? この程度のことで。サクっと殺しておしまいでしょう」


「IR3がやられた。そして、あの敵は、ゼノリカに対して明確な敵意を示しているという。充分に報告案件だ」

「同意」

「……まあ、そうね。ただ、提案してきたのは、あんたらなんだから、『この程度の事でいちいち報告してくるな』って怒られた時の責任は、あんたらに請け負ってもらうわよ」


「ふざけんな」

「腹黒」

「なんとでも言いなさい」



 のんびりと会話をしつつ、オーラを練り上げながら近づいてくる3人。


 百済は、『完全な実力主義』かつ『仲間意識が希薄(仕事がら、あえてそうしている)』なので、『同僚がやられた』としても、そのことについて憤怒を覚えるという事はない。


 あくまでも同僚。

 友人ではない。





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