39話 なに見てんだ、殺すぞ。
39話 なに見てんだ、殺すぞ。
「随分、性格が違うように思うんだが……気のせいか?」
「その手の疑問に答えるのはもう飽きた。てめぇで勝手に想像しろ」
「……」
「で、3番さんよぉ……ここには何しにきたんだ?」
「魔王討伐隊のメンバーとして正式に配属された。ヤクザとしての本業が忙しいから、トレーニングに参加するつもりはないが、一応、挨拶にな」
「大変だな、あんた。いっつも、便利に使いまわされて」
「……もう慣れた」
と、そこで、
「アネゴー! ゼンドート伯爵に書類を提出してきましたよ! アネゴの忙しさは伯爵も重々承知のようで、訓練不参加も仕方ないって感じでした」
などと叫びながら、3番のもとに駆け寄ってくる一人の奴隷少年。
猿の98番。
11歳。
17番と同い年のガキチンピラ。
3番に心酔している子分……もっといえば、金魚の糞。
98番は、ニコニコ顔で3番の横につく。
だが、直後、センの顔を見て、グっと眉間にしわをよせて、
「なに見てんだよ、17番。殺すぞ」
と、ヤンキーテンプレでガンをつけてきた。
3番に対する態度とは雲泥の差。
センは、巻藁を殴りながら、
「猿の98番……俺は魔王討伐隊に配属されると同時に平民に昇格した」
「ぇ、なっ」
「下賤な奴隷の分際で……平民の俺に対し、ずいぶんとナメた口をきいてくれたじゃないか」
と、そこで、3番が、
「……17番……あんた、平民に昇格していたのか」
「ああ。だから、前とは態度が違うんだよ。こっちが素だ」
「……そうか。じゃあ、敬語を使った方がいいか?」
「それだけじゃ足りねぇ。『様』をつけて呼びな」
「あんたがあたしの主人だったらな。ただの平民を一々様付けする気はない」
「あ、アネゴ……あいつ、マジで平民にあがったんすかね? ブラフじゃないっすか?」
「魔王討伐隊の給料は年収100万以上だし、住居も与えられる。条件はそろっているから、あたしみたいに『特別な理由』でもない限り、普通に昇格するだろうな。羨ましい話だよ。あたしも17番ぐらい無能だったら……いや、でも、あんたの、その拳は……普通に『有能』な部類に入るレベル。なのに、なんで……」
「それも、俺の態度が以前と違う理由の一つだ。この都市で産まれた『鷹の奴隷』は、平民に上がるまで、『爪』を全力で隠すのがベスト。バカ正直に、自分の力をひけらかすから、お前は一生奴隷のままなんだよ、針土竜の3番」
その煽り言葉に、98番が、ブチ切れた。
「猿の17番! てめぇっ!」