150話 ハーレムメンバーがどんどん増える。
150話 ハーレムメンバーがどんどん増える。
――温情で我慢してやる!
なんてことを思いつつ、
採用試験が始まるのを待っている。
そんな中で、同期の『猿の20番』がボクの側によってきて、
「いくらカツアゲされた?」
などと聞いてきたので、
「逆にカツアゲした上で、ボクの手籠めにしてやったよ。今じゃ、もう、おとなしい子猫ちゃんさ。ボクのハーレムに、またメンバーが増えてしまった。まったく、困るなぁ、ボクの身体は一つしかないのに」
「……そうか。全部むしられたのか。まあ、そんな日もあるさ。前を向いていこう」
「人の話聞いてる?」
なんてくだらない会話をしていると、
試験官風の恰好をしたオッサンが闘技場の最奥に設置されている壇上にのぼり、
『拡声』の魔法を使ってから、
「それでは、これより採用試験を開始します」
と、闘技場全体に響く声でそう言った。
★
試験内容だが……最初は筆記試験だった。
公務に関わる採用試験だと……だいたい、どこでも筆記試験が行われるそうだ。
ボクは今回が初めてだから、知らなかったけど、事前に、99番が教えてくれたから、戸惑うことなく筆記試験に挑むことができた。
99番のサポートはそれだけではなく、普通に、模範解答を教えてくれた。
どうやら、99番は、その卓越した実力がラストローズ辺境伯に認められているため、最初から、入隊が決まっているらしく、テストの内容を全て事前に教えてもらっているとのこと。
それどころか、潜入審査員としてのミッションも課せられているらしく、有能な人材を取りこぼすことが無いように受け皿になったり、逆に、どうしようもないゴミをはじく振るいの役目もこなす予定らしい。
……さすが、上級奴隷は、コキ使われ方がハンパない。
針土竜の3番から聞いた話によると、上級奴隷は、基本、休みがないって話らしいからな……
どんだけブラックなんだ……
かわいそうに……
まあ、それはともかく、ボクは、ペーパーテストに挑む。
答えは事前に教えてもらったから知っている。
問題はただ一つ。
(やば……忘れた……問6の答え、なんだっけ……)
ボクの記憶力をナメてもらっちゃ困る。
たとえ、事前に模範解答を見ていたとしても、
それで合格できるとは限らないのさ。
ふっふっふ。
(わろとる場合か)
モンジンが呆れ交じりにそう言ってきた。
(大した量じゃなかっただろう……あの程度が、マジで暗記できなかったのか?)
(いや、結構あったよ……文章問題と選択問題が入り乱れて大変だった)




