143話 『アバターラの召喚・消去に関するルール』
143話 『アバターラの召喚・消去に関するルール』
(だいぶ、無茶苦茶やっているみたいだね……まあ、別にいいけど。仮に、トチって捕まっても、所詮は分身だから、消せば終わり。で、また、安全な場所で出せばいい)
遠くからアバターラを出したり消したりする実験は既に実行済み。
アバターラ自身の判断で消える事も可能。
『アバターラの指輪』は本当に便利だ。
チートすぎる。
――ただ、『消える』のは自由だけど、『出て来る時』は、ボクの了承が必要。
そして、アバターラが『ボクの見ていない場所で消えた』場合、再召喚できるのは『その消えた場所』に限られる。
自由に消えることはできるけど、自由にどこからでも出てくるわけじゃないってわけだ。
『10キロ離れた場所で消して、ボクの目の前に出す』ということは出来ない。
『アバターラの召喚・消去に関するルール』
・遠隔操作でアバターラを 出したり消したり することは可能で、すでに実験済み。
・アバターラ自身の判断で『自主的に消えること』も可能。
ただし制約もある。
・『出現する際』は、ボク(本体)の同意が必要。
・ボクの視界外でアバターラが消えた場合、再出現するのは『消えた場所限定』になる。
(金だけじゃなく、マジックアイテムや武器や装備品や魔カードも大量に回収中……か。で、今は7番の秘密基地に保管中。んー、これって、もし、なんらかのミスで、アバターラの拠点が7番の秘密基地ってバレた時、彼女がやばいことになるよね)
(そうだな)
(でも、今のところ、どうしようもないしなぁ。……この辺の問題を解決できる神器をダンジョンで見つけたいところだなぁ……)
(全部、神器頼りだな。お前自身の知恵や勇気でどうにかしようと思わないのか?)
(君は、今まで食べたパンの枚数を覚えているか?)
(……それは、使い方がちょっと違うんじゃないかなぁ。……シンプルに『不可能』だってことを言いたいんだろうが……)
(そんな偉そうなことを言うなら、君が何か考えてよ。全ての問題をスパっと解決できるフラッシュアイディアを、さあ、どうぞ)
(これは全ての問題を解決しうるジャストアイディアなんだが……神器を探すってのはどうだ?)
(……その発想はなかったなぁ)
ボクは渋い顔で、吐き捨てるようにそう言った。
★
《雅暦1001年7月18日昼》
アバターラのやつ、魔王を召喚しすぎなんだよなぁ……
今日召喚できる時間、もう3分切ってんだけど……
今回の自作コミカライズ版32話も、多くの読者様に買っていただきました!
本当にありがとう!!
ブーストありで買ってくださった読者様、心より感謝申し上げます!!
いただいた期待に応えるべく、まだまだ、まだまだ、頑張っていきますよぉ!




