141話 奴隷から平民に上がるのは、案外めんどうくさい。
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セン、誕生日おめでとう、産まれてきてくれてありがとう(*´▽`*)
そして、読者の皆様、ここまでついてきてくださって本当にありがとうございます!!
これから先も、あなたに、ちょっととでも楽しんでもらうために、まだまだ、頑張りますよぉ!
141話 奴隷から平民に上がるのは、案外めんどうくさい。
「15歳以下の部で無双していた『虎の30番』を麻痺らせたスキルは大したもんだ。しかし、だからといって年100万を稼げるかといえば……まったくもって否だ。『火炎攻撃で、虎の30番を気絶させた』とかって話だったら、また変わってくるんだが……麻痺だと、使い勝手がなぁ。素のステータスが低すぎるから、デバフ要員として地下迷宮研究会に推薦ってこともできない」
ギチギチに、ボクの使い勝手の悪さを指摘されてしまった。
泣きたい。
「色々と考慮した上で……でも、お前のステータスだと、高く見積もっても、精々、年20万が関の山だろう」
「やっすぅ……ぁの、ボク、一応、闘技場の大会に出れば1日で優勝賞金90万ぐらいは稼げるんですけど」
「じゃあ、それで金稼げばいいだろ。今後は、相手も、お前の対策をしっかりと積んでくるだろうから、ずっと勝ち続けるのは難しいだろうが」
「賞金でいくら稼いでも、平民になるための条件は満たせないんですよ。それだと一時所得になるとかなんとかで、条件クリアにならないんです」
「お前、平民になりたいのか」
「なりたいですよ。悪いですか?」
「別に悪くはないが、無理だぞ。最初の話に戻るが、お前はスペックが低すぎる」
魔王を召喚できて、人類未踏破だったダンジョンを既に三つもクリアして、神器を三つも入手しているこのボクに、ずいぶんとナメた口をきいてくれるじゃないか……
と、大声で叫びたい気持ちにかられたが、もちろん我慢した。
さすがにそこまでバカじゃないんでね。
……その後も、粘り強く、職を紹介してくれと頼んだが、
「いくら頼まれても、お前じゃ、条件を満たしていないから紹介できないんだよ。こっちも信用ありきで仕事をしている。お前みたいな使えない雑魚を紹介したら、上に文句を言われて、俺の首が飛ぶ。なんで、お前のためにそんなリスクを負わないといけない? 逆にお前はできるか? 首切られる可能性を飲み込んだ上で、よく知らない無能なガキのために働けるか?」
「……いえ……できないっすね」
「じゃあ、それ以上、無茶は言うな。自分に出来ない無理難題を、他人に強制しようとするなど……恥を知れ」
「……ぐぅ」
最終的に、ぐうの音しか出なくなってしまったので、ボクは大人しく引き下がった。
まいったね……
どうしたもんか……
★
リストラされたサラリーマンみたいな顔で、帰り道を歩く。
道すがら、ボクは、モンジンに相談してみた。
(モンジえもん、助けて)
(ゴロ悪ぃなぁ、『モンジえもん』って……)




