94話 ゲーム制作者の指向性。
94話 ゲーム制作者の指向性。
数分待って、50分になったところでボクと7番は階段を下りる。
6階に降りて、広いフロアに出たところで、
背後からガシャンと大きな音がした。
振り返ってみると、階段が消えて壁になっていた。
……流石に、もう3回目なので、慌てることはない。
大きな音に驚いてビクっとはなったけど、それはただの生理現象だ。
急に吠えられたら、相手が小型のチワワでも、一瞬は身をすくめるだろう?
つまりは、そういうことさ。
……閉鎖された空間は、体育館ぐらいのかなり広いサイズ。
完全にコピペだ。
このダンジョンを創ったのが誰か知らないけど、
その誰かさんが『ダンジョン制作に熱意がない』ことだけはハッキリと分かった。
どうやら、ダンジョンの内装にバリエーションをつける気は一切ないらしい。
この巨大都市ユウガに、地下迷宮は全部で100ぐらいあるらしいけど……たぶん、全部、同じ創りになっているぞ、これ。
などと思っていると、目の前に、龍が5体召喚された。
炎を纏っていたり、雷を纏っていたり、冷気を纏っていたり……
ここに関しては、ちょっとだけバリエーション豊かだった。
このゲームの制作者、モンスターだけは、かなり凝って創っている感じだね。
ボクは、神眼モノクルで、龍たちのスペックを確認する。
「ファイアーエルダードラゴン2体……サンダーエルダードラゴン2体……フリーザーエルダードラゴン1体……なかなかのラインナップじゃないか。素晴らしい数値です。部下にほしいぐらいですよ」
そして、ニタリと笑ってから、
「光栄に思え。ダブル魔王で相手してやる。二体同時召喚するのは、貴様らが初めてだ」
そう言いながら、ボクは、魔王ダブル召喚を試してみる。
まあ、試すと言っても、実際に魔王を召喚するのはモンジンだから、ボクは、ただお願いするだけだけど。
今回、召喚する魔王二体は、火力特化のパリピーニャと、万能型のゼラビロス。
連携とかは特に必要ない。
『ファイヤー2体』と『フリーザー』はパリピーニャに任せ、
『サンダー2体』をゼラビロスに任せる。
ズザザザッ!
と、5体の龍は、一瞬で細切れになった。
ダブル魔王の前では、『属性を纏った龍』であろうと、蚊やハエと同じ。
龍5体を瞬殺して、優雅に帰っていくパリピーニャとゼラビロス。
その背中を見つめながら、7番が、ボソっと、
「龍って……モンスターの中では最強の種族のはずなのに……」
「魔王からすれば、龍も虫も関係ない感じっすねぇ」




