表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
永久閃光龍神I章 さいごのまおうのせかい。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5584/6044

92話 世界の騙し方。


 92話 世界の騙し方。


 『アホの子』のモデルは『しんち〇ん』と『ボーち〇ん』で事足りる。

 あの国民的おバカアニメの登場キャラの中で、あの二人は、実は『ぶっちぎりナンバーワンとナンバーツーの超天才児』だけれど、教養のない人間の視点では、どっちも『ただの頭が足りないバカ』に見えるだろうからね。


 などと転生前のアレコレを懐かしみつつ、そんなことを思っていると、


「バカのフリをするのも限界があるだろう」


 7番が、スっとこちらに顔を向ける。

 艶やかな髪がゆらりと揺れて、目の端にかかる。

 その声音は変わらず落ち着いていたが、どこか苦笑のようなものが混じっていた。


「じゃあ、どうしたらいいんすか? ボクはフリじゃなく、普通にちょっと頭が悪いんで、お貴族様を騙す方法とか思いつかないんですよね。できたら、全部考えてくれません? 今後、ボクが何をして、どういう行動をとるべきか。もろもろ全部」


 ボクがふざけ半分にそう返すと、7番の口元がかすかに動いた。


「……できることなら、『あんたがダンジョンに挑戦している』ということを『上には黙っておきたい』のだが、地下迷宮挑戦は、記録が残るから、その点をごまかすことは……できなくはないが、リスクの高い悪手だな」


 7番の声には、珍しく、『ほんのわずかな躊躇』が混じっていた。

 長年の訓練と任務の経験から来る『慎重さ』が顔を出している。


 ……ちなみに、そんな作戦会議をしている間も、モンスターは絶え間なくわいていた。

 パリピーニャは涼しい顔をして、モンスターの顔面に、ロケットみたいな膝をぶちこんでいる。

 褐色の肌に汗ひとつ浮かべず、長く引き締まった手脚が踊るように動き、オーラの奔流が空間を圧縮している。

 伝統芸能にまで昇華された舞のような優雅さと、その奥ににじむ圧倒的な殺意の共存。


 パリピーニャがモンスターを瞬殺しているのを尻目に、7番が、続けて、


「とりあえず、バカのフリは続けた方がいい。その方が油断を誘えるから。ただ、『愚者の演技』はあまり極端にやりすぎると、逆にあやしまれる可能性もある。その辺のさじ加減は気をつけてほしい」


「いえす、まむ」


「あんたが、色々なダンジョンに挑戦していることの言い訳……たとえば、こういうのはどうだろうか。あんたは、事実として、すでに大金を払っている。ここで諦めてしまうと、今まで払った全てが無駄になってしまう。それは、あんたにとって耐えがたい恐怖」


「どっちかっていうと、ボクは自分のことを『負け戦から早めに撤退する方』だと思っていますが……そこは、まあ、バカのフリの延長ということで、受け入れましょう」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ