50話 ダンジョン報酬。
50話 ダンジョン報酬。
ワクワクしながら、宝箱を開けると、
そこには、『ちょっと豪華なモノクル』と、『一枚の紙』があった。
紙に文字が書かれてあったので、いったん、ボクは紙を取り出して、内容を確認してみた。
この紙は、モノクルの説明書だった。
名称と効果が書かれている。
名称『神眼モノクル』
効果『装備している間だけ無条件でプロパティアイが使える』
それを見て、ボクは『?』となったが、
ボクの中にいるモンジンは、
(マジかよ……無条件ってことは、装備者の魔力も不必要ってことだよな。プロパティアイをMP消費なしで使えるとか、どんだけ?! なんでだ?! もしかして、このアイテム自体がオルゴレアム化している? 惑星エネルギーと連動しているのか?! いや、まあ、そういう神器もあるにはあるだろうが……)
などと、また、意味不明なことをブツブツ言っているので、
ボクは、モノクルを手に取りながら、
「モンジン、もしかしたら、このアイテムは、その驚きに値する何かなのかもしれないけど、これを使うことになるのはボクなんだから、勝手に納得と驚愕だけをするのはやめて、ボクにわかるように説明してくれ。もう言うまでもないとは思うけれど、アホの僕に伝わるように、優しく丁寧に」
(プロパティアイは眼力系の最高位魔法だ。サードアイの上がフォースアイ、その上がフィフス、シクスス、セブンスアイときて、その上がプロパティアイで、デジタルに相手の存在値が分かる。極めれば、相手の使用魔法やスキル……もっと細かいステータスまで丸裸に出来る。もちろん、同等レベルのフェイクオーラを使われると見えないけどな)
「眼力系の最高位……やばいね、それは……しかも無条件……やばぁ……」
凄さを理解すると、モノクルを持つ手が震えた。
そんなすごいもの、壊したらどうしよう……
なんて、小市民な不安が頭をよぎる。
仕方ないじゃないか。
実際、ただの小市民なんだから。
と、そこで、ボクはふと思う。
「……もしかして、この都市にある全部のダンジョンに、これと同じレベルのアイテムが眠っているのかな?」
(かもな。その可能性は極めて高い)
この巨大都市ユウガには、全部で100個の地下迷宮が存在する。
その最奥全部に、これと同じランクの神器が眠っているのかも……と考えると、それだけでドーパミンが止まらない。
「うわぁあ高まるぅう! 人生楽しぃいい! 生きてて、ほんと良かった!! 何度も、何度も、死のうと思ったけど、ギリギリのところで踏みとどまって、本当によかったぁあああ!」




