49話 まさか、第二形態!?
49話 まさか、第二形態!?
魔王召喚のタイムリミットがきて、パリピーニャは、スゥっと消えていった。
だが、問題はなかった。
リミットギリギリのところで、パリピーニャは、ダンジョン魔王の首を斬り飛ばしてくれたから。
「パリピーニャ、強ぇえええ! かっけぇええ! 正直、めっちゃつきあいたーい! 結婚したーい! あなたと、とても口にできない、めちゃくちゃスゴいことを、いっぱいしたーい!」
興奮のあまり、つい、『人に聞かれたら死んでしまうレベルの妄言』を口走ってしまった。
自重しなければいけないのは分かるけれど、命が助かった安堵感とかも合わさって、脳が異常興奮気味になっている。
気づけば鼻血が溢れていた。
流石に、これは、パリピーニャの艶姿に興奮したがゆえの鼻血じゃない。
これに関しては嘘じゃない。
てか、そもそも、エロいものを見たからって鼻血は出ない。
……首を切られたダンジョン魔王は、しばらく、首なしのまま立っていたが、一度グラリと揺らいでから、バタリと倒れた。
それを見て、モンジンが、ボソっと、
(まさか、第二形態に変身して復活とかいわないだろうなぁ……)
などと、だいぶ不吉なことをつぶやく。
『流石に、それはないだろう』……などと、フラグを建築するほどの余裕はない。
ボクは、胸の前で両手をあわせて、それだけは勘弁してくれと神様に祈った。
そんなことをしていると倒れた魔王の死体がヒュンヒュンと形と変えていく。
「まさか、マジで、第二形態?!」
と、おののいたが、しかし、実際は違った。
魔王の死体は、宝箱の形状に変化したのだった。
「た、宝箱……こ、これは……ダンジョンクリアってことで……いいんだよね……ね、モンジン」
(……ミミック状の第二形態……って可能性もあるけどな)
と、モンジンが、また不吉なフラグを口にしたので、
ボクは、ため息をついて、
「モンジン……きみ、ちょっと、疑心暗鬼がすぎると思うよ」
(……コスモゾーンの性悪さを知らないから、そんな呑気なことが言えるんだ。この世の本当の厳しさは、お前の想像を絶するぞ。知らんけど)
などと、意味不明なことをつぶやいているモンジンのことをシカトして、
ボクはワクワクしながら、宝箱を開けた。
ついさっきまで、ダンジョンにきたことを後悔していたけれど、
こうして、『報酬』を前にすると、『きて、よかったぁ』と心の底から思う。
人間ってのは現金なもの……というか、アホだな……なんて、イタズラに自分のことを客観視したりして……




