42話 このダンジョンは、最上級で頭打ちかな?
42話 このダンジョンは、最上級で頭打ちかな?
構造だけに焦点をあてると、マジで、手抜き感が強いダンジョンだなぁ……
などと思いつつ道を進んでいると、
(……『ラメントバフメット』か……悪魔種の最上級だな)
出てきた悪魔を見て、モンジンがボソっとつぶやく。
4階も、出てくるのは最上級……
もしかしたら、このダンジョンに出てくる最高は『最上級』なのかな?
それとも、ここからじっくりと上がっていくのだろうか?
……なんて考えている間に、バフメットの首が、パリピーニャのワンパンで炸裂した。
……バフメットの、あの禍々しい姿から想像するに、たぶん、すごい魔法とかが使えたんだろうけど……
そういうの、マジで関係ないんだよね。
ただひたすらワンパン……
こっちは、この先に眠っているであろうお宝が目当てだから、別にソレでオールオッケーなんだけど、仮にこれがゲームとかだったら、地獄みたいな調整ミスだな。
バランスが崩壊しているとしか言えない。
★
……結局のところ、4階は、最上級しか出てこなかった。
そして、宝箱とか、そういう感じのもなし。
ひたすら、たんたんと進んで、『モンスターが一瞬で死ぬ』のを後ろで見ているだけ。
『パリピーニャが眼福』っていう、雑なお色気要素があるから、まだなんとか、この状況を楽しめている。
けど、もし、ボクに召喚できる魔王が、ゼラビロスだけだったら……もう、流石に、アクビが止まらなかっただろうね。
などと思いつつ、発見した階段を下りて5階へ。
この5階でも、出てくるモンスターは最上級ばかり。
「このダンジョンは、最上級で頭打ちかな?」
(その可能性はあるが……無意味に油断はするな)
「はいはーい」
緊張感のない会話をしながら、
パリピーニャが最上級モンスターを瞬殺するところを、
ひたすら見続けるだけの単調な時間。
その途中で、
「残り時間……2分37秒……か。絶妙だな。どうしようか、モンジン」
(……『引き返した方がいい』ってのが、率直な意見だな。進む時より、引き返す時の方が、モンスターが多く出てくるって可能性もゼロじゃねぇし)
「あー、確かに。その発想はなかった」
(できれば、もうちょっと考えて生きてくれ)
「……もし、モンジンが想定する『最悪の可能性』がマジだった場合、ボク、普通にタイムリミットで死ぬよね。どうしよう」
(え、もしかして、マジで、『帰り』の方が『時間がかかる可能性』を、わずかも考えてなかったの? それを踏まえた上での『攻め』の2分30秒目安じゃなく、マジで、ただ半分の時間を目安にしただけ?)
「う、うん……」




