41話 瞬殺、瞬殺、瞬殺。
41話 瞬殺、瞬殺、瞬殺。
モンスターを殺害していると、また階段を発見した。
……地下3階も、構造は同じ。
まあ、ちょっと色味が濃くなっているような気がしなくもないけど……気のせいである可能性の方が高いような、そうでもないような……
などと思いつつ、3階の探索を続けていると、
また、モンスターが登場。
出てきたのはトゥルーヴァンパイア。
モンスター階級は『最上級』。
その存在値は余裕の100以上。
存在値100以上っていったら、上位貴族のカルシーン卿と同じぐらい。
……そう考えると、本当にイカつい。
けど、パリピーニャは、そんなトゥルーヴァンパイアを瞬殺していく。
もはや、早すぎて、どう攻撃して、どう殺したのか見えなかった。
相手が強くなってきたら、パリピーニャの動きもキレがよくなってきている。
ここまではだいぶ手を抜いていても、余裕で殺せていたけど、
流石に存在値100以上を瞬殺しようと思うと、
魔王パリピーニャでも、まあまあ本気を出さないといけない、
……みたいな感じだろうか。
知らんけど。
「……たぶん、敵も強くなっているんだろうけど……結局のところ、パリピーニャの一発瞬殺だから、『違い』はまったく分からないなぁ……」
(実際にやりあえば、鬱陶しさとか、面倒なところとか……色々見えてくるんだが、今の状況だと、そんなもん分かるわけがないからな)
などと、ほのぼの会話している間も、
最上級のモンスターが出てきて、
パリピーニャに瞬殺される。
そんなことを繰り返しながら、先へ先へと進む。
そして発見した4階へ降りる階段。
「パリピーニャを召喚できる時間は、あと……3分50秒か……まぁ、まだいけるね」
(そうだな。とにかく慎重に……冷静に進もう)
「しかし……このダンジョンって味気ないねぇ。簡素な道と、たまにあるちょっとした広場と、頻繁に湧く無機質なモンスターしかない……普通、ダンジョンっていったら、宝箱とかあるもんなんじゃないの?」
階段を下りながら、ボクはぶつぶつと、そんなことをつぶやく。
すでに3階までクリアしたが、ここまで一度も宝箱を発見できていない。
もしかして、地下迷宮研究会が根こそぎ持っていったのだろうか?
この3階ぐらいまでだったら、上位貴族が力を合わせれば、どうにか到達できるし……
……そんなことを考えつつ到達した4階。
マジで代わり映えしない。
『初心者がツクール系で創った、だいぶ手抜きのダンジョンRPG』……より酷いかもしれない。
出て来るモンスターのクオリティとかはだいぶ高いんだけどねぇ。