28話 ラストローズ辺境伯視点(3)
28話 ラストローズ辺境伯視点(3)
今回の会議での件もふまえて、
私は、また、パメラノ先生のところに相談にいこうとした。
また、『自分でやれ』と言われるだけかもしれないが、正直なところ、自分一人では、解決できる気がしないのだ。
『甘えるな』と言われるかもしれないが、『魔王問題』は、へたをすると、多くの民衆が犠牲になってしまうかもしれない一大事……
プライドも見栄もかなぐり捨てて、使えるものは何でも使って、必死に、解決すべき問題だと、私は思っている。
パメラノ先生の城は『中周南南東エリア2』に位置する。
先生の城はシック……悪い言い方をすれば、かなり質素だ。
先生の立場的に、『対外的な見栄』を必要としておらず、先生の根本的な性格も『見栄えよりも実を取る方』なので、過剰にきらびやかに着飾ったり、無駄に派手な装飾を施したりすることはない。
『そんな金があるなら都市運営に回せ』……というのが先生の基本方針。
そんな先生だからこそ信頼できる。
私に対して、少々厳しすぎるところがあるが……それも、私のため……ひいては都市のため、民衆のためだと理解はできている。
だから、どんなに厳しい課題を出されても、必死にくらいついていった。
先生から出された課題・命令は、全て完璧に、自分だけの力でこなしてきた。
……だが、今回ばかりは……正直、手を貸してほしい。
★
先生の城に辿り着き、いつもの執務室へと向かう道中の廊下で、
「やあ、ラストローズくん。ご機嫌、いかが」
……セミディアベル公爵に話しかけられてしまった。
なんで、ここにいるのだろうか。
正直、この人のことは、かなり苦手なので、会いたくなかった。
セミディアベル公爵は、内周全域の統治者であり、裏社会を統括している都市公認フィクサーでもある。
この巨大都市ユウガの『暗部』を一手に引き受けている豪傑。
『反社に属する者の頂点』という認識でなんら問題ない。
最大級の畏怖を込めて『魔皇(魔王よりも怖い存在)』と呼ばれることもある男。
昔から、私は、この人が本当に苦手だ。
……というか、この人のことを得意としている人はいないだろう。
パメラノ先生も、セミディアベル公爵のことは、ハッキリと『危うい人物である』と口にしている。
私もそう思う。
セミディアベル公爵は、
『丁寧なお辞儀で挨拶を返す私』に、
「聞いているよ、外周で魔王が暴れたらしいね……ぷくく……いやぁ、大変じゃないか。人手は足りているかね? 魔王が相手となれば、君が1000人いても倒せるかどうか分からないんだ。くく……もし、必要とあらば、いつでも、私を呼んでくれたまえ。微力ながら力になるよ。まあ、魔王が相手では、流石の私でも、相手にならないだろうけれどね、ふふふ、はっはっは」




