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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
永久閃光龍神I章 さいごのまおうのせかい。

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11話 貴族に毒は効きません。


 11話 貴族に毒は効きません。


 決勝戦。

 対戦相手は、もちろん、虎の30番。

 15歳とは思えないほどムッキムキのコワモテだった。


 虎の30番は、ボクを見下しながら、


「せっかく、ラストローズ辺境伯の前で闘えるっていうのに……お前みたいな雑魚が相手とは……」


 と、けだるげな感じで、そうつぶやく。


「俺は強さを求めているんだ。弱い者イジメは意味がないから好きじゃない」


 そんな『主人公みたいなこと』をほざく30番に、

 ボクは、


「何をどう思ってくれてもいいんだけど……一つ聞かせて。ボクのこれまでの試合とか見てる? もしくは、何か聞いてる?」


「3回戦が不戦勝だってことは聞いたが……それ以外はなにも。お前に対する興味なんか一切ない」


 ラッキィ。

 ぜひ、そのまま、存分に油断していてくれ。

 頼むから、警戒するな……


 と思っていると、

 観客席にいる客の一人が、


「30番! 負けるとは思わないが、気をつけろよ! そのガキ、ゴブリンを使って、麻痺攻撃を仕掛けてくるからな!」


 と、余計なことを言いやがった。

 くそが……

 マパネットにお願いして、

 お前も、蝋人形ろうにんぎょうにしてやろうか……



「麻痺攻撃ねぇ……くだらない。状態異常なんか、真に鍛え上げられた肉体には通じない」



 お、いいぞ。

 そのまま油断していてくれ。


 と、そこで、いつも通り、審判が割って入ってきて、


「気絶か、10カウントで敗北。なるべく相手を殺さないように。分かった?」


 と、お決まりの文句を言ってから、


「それでは、はじめ」


 試合開始。

 ボクは、『さて、どのタイミングで、マパネットを召喚しようか……』と、色々考えつつ、30番の初手を警戒していたのだけれど、

 30番は、微動だにせず、


「先手はやるよ。実力差がありすぎるからな。一撃ぐらいは、もらってやる」


「マジっすか! あざーす! ごちそうさまです! しゃしゃしゃーすっ!」


 ボクはプライドも外聞がいぶんもなく、『ほどこしを受けたこと』に対し満面の笑みを浮かべ、全力の感謝を叫ぶと、


「ゴブリン2号、召喚!」


 マパネットを召喚して、


「じゃあ、あの、すいません。一発、殴らせていただきます。すいやせん」


 と、丁寧に下からお礼を口にして、

 マパネットに攻撃命令を出した。


 ドスンっと、軽く一発、マパネットの拳が、30番の腹部にブチあたる。

 最初、30番は、『やれやれ』って顔をしていたが、


「うぐっ……」


 すぐに顔色が悪くなって、その場にバタリと倒れる。


「な……な……ばかな……俺の麻痺耐性は……常人の数倍……高いのに……」


 『状態異常に対する耐性』は人それぞれ。

 基本的に、存在値が高い人は耐性も高い。

 貴族に、普通の毒は一切効かない。

 この辺は、常識。


 ちなみに、ボクは耐性もゲロ低い。

 軽い毒でも秒で死ねる自信がある。

 マジで、ボクはちゃんと弱いのだ。


「ぐぅう……動けぇ……俺の体ぁ……ど、どうして……どうしてぇ」


 おそらく、30番は、本当に、状態異常に対する耐性が高いんだろう。

 けど、正直、関係ない。

 なんせ、お前がくらったのは、『魔王の麻痺』なんだから。


 そこで、ボクは、チラっと、貴賓室を見上げてみる。

 ラストローズ辺境伯が、眉間にガッツリとしわを寄せていた。

 さすがの辺境伯も、『ボクみたいな雑魚が、30番に勝つという奇跡』を目の当りにして驚いている様子。


 ……ラストローズ辺境伯は、ボクからすれば、雲の上の人物。

 すべてにおいて、圧倒的なステータス差を誇る超人の中の超人。


 そんなラストローズ辺境伯でも……

 マパネットの麻痺には耐えられないだろう。


 魔王の力は……次元が違う。



「ナイン! テン! 勝者、猿の17番!!」



 そう叫びながら、ボクの右手を高く掲げる審判。

 周囲の観客は、

 呆然として、

 拍手の一つも出来ない様子だった。


 シンと静まり返っている。

 耳が痛いほどの静寂。


 しばらく……

 数秒ほど、

 みな、呆然としていたが、




「てめぇ!!! ふざけんなよ、30番!!!」




 最初に、『怒り狂った観客』が怒声を上げたのを皮切りに、

 周りの客も、一斉に騒ぎ出した。

 ここまでの客たちは、ラストローズ辺境伯が見ている手前、普段より、かなりおとなしく、だいぶ上品に観戦していたが、『虎の30番』のあまりのふがいなさを前にして、呆れを通り越した怒りを爆発させる。


 ……まあ、しゃーない。

 『30番が優勝するのに賭けていた人たち』はキレても仕方がない。

 うん、わかる。

 その怒り、よく分かる。



 ★



 閉会式で、ボクは、ラストローズ辺境伯から、直々に手渡しで、優勝賞金をもらった。

 賞金は100万ぐらいだが、今回は、ボクがボク自身に賭けた分の500万もある。

 9番がボクに賭けた分と合わせて1100万。

 さらに、武器管理官のペギさんから50万で、1150万の現金獲得。

 ウハウハ。


「猿の17番。……優勝おめでとう。非常に面白いものを見せてもらった。10000倍クラスの払い戻しというのは、過去に例がない」


 そう言いながら、ラストローズ辺境伯は、僕に、優勝賞金100万が入った封筒を渡してきた。


「払い戻し金に関しては、額が大きいので、あとにしよう。まずは、君と少し話したい。貴賓室に来てくれ」


「え」


 なんの話だろう……

 と思いつつ、ボクは、言われた通り、ラストローズ辺境伯についていく。

 大貴族に逆らうなんてありえないからね。



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