最終話 さいごのまおうのせかい。
最終話 さいごのまおうのせかい。
「ショデヒ騒動の時は、『100極ポイントを集める』というのが、記憶を取り戻す条件だったけど、今回は、かなり簡単にしておくよ。……『???????を見つけ出してぶっ殺せ』――以上だ。……君にとっては、簡単すぎるかな? たとえ、体と記憶と力を失ったとはいえ、その程度の難易度はヌルすぎるかな?」
「瀬戸くん、もう一回言ってくれ……誰を殺せって? なんか、ノイズが入って、聞き取れなかった」
「大丈夫だよ、センくん。ここでの対話も完全に忘れるから」
「何が大丈夫なんだよ……大丈夫な箇所、一個もねぇぞ」
と、そこで、蝉原が、
「……あ……」
「ど、どうしたぁあ?! 今の『あ』には、アクシデントの気配を感じるぞ! 何があった! 対応してやるから、力と記憶と体を戻せ!」
「……ちっ」
「今の舌打ちには、本格的なハプニングの波動を感じたぞ! 任せろ、瀬戸! 俺が解決してやる! ヒーロー見参!」
「なんで、召喚技能だけ……ん……この因子は……ミシャンド/ラか……なるほど、ショデヒ騒動の時に輝木がセンくんの翼になったから、それを経由して……一応、銀の鍵でリセットはされているが、セントラルコードに残滓が刻まれているのか。まったく、薬宮シリーズの執念にはまいるね」
「すごいぞぉ! お前が何を言っているか一ミリもわからんぞぉ! でも、なんでだろう……ミシャ……カガヤキ……クスリノミヤ……脳がうずく……誰だ、瀬戸! そいつらは、俺にとってなんだ?!」
「それは、彼女たちが最も知りたがっている答えで……そして、君にしか答えられない難問だ」
蝉原はそういうと、
コスモゾーンにアクセスして、
「……いやいや、ダメだよ、これじゃ……ヌルゲーになっちゃうよ。せっかく、体まで奪って、『経験値ブースト』を最大にしたのに……くそ……仕方ない……もう一つ、足枷を増やすか……『七月五日』は質量が多すぎる、『白』は脆すぎて無理……あいだをとって、『月光寺』あたりが適任か……」
「何を言ってんのか分からないけど、もうやめて! これ以上俺をいじめないで! とっくに俺のライフはゼロよ!」
「ライフがゼロになったぐらいじゃ、君は止まらない。俺は詳しいんだ」
「ぁ……―――――――――――――――――」
と、そこで、センの意識は完全に消えてしまった。
そして、また、はじまる。
センエースの艱難辛苦。
……センの意識が完全になくなったところで、『火の玉・蝉原』は、ボソっと、
「……『さいごのまおうのせかい』は、とんでもなく経験値を稼ぐことができるボーナスステージ。力・記憶・体を失うという『経験値ブーストMAX』状態で挑めば、きみは、おそろしいほどに強くなるだろう」
そう言って、
スゥっと、その場から姿を消した。




