91話 世界線の収束点を、『今』に設定した。
91話 世界線の収束点を、『今』に設定した。
「やり直しだ。二度と、順番を間違えるなよ」
「タイムリープする気かい?」
「ああ。もちろん。世界が終わったらタイムリープしてやり直す。それが常識だろ? 社会人のマナーと言ってもいい」
「ふふ。面白いことを言うねぇ。君のワードセンスはいつも素晴らしい」
「いい煽りだぜ。もし、お前のことが嫌いだったらキレているところだ」
と、瀟洒に言葉を飾り合った上で、
センは強い目で、蝉原を睨み、
「……もう、ぶっちゃけた話をさせてもらうが……ムダなんだよ、何をしたところで。まだまだ全然タイムリープできるからな。普通に『戻せばいい』って思っているよ。てめぇが何をしようとムダムダムダムダ。俺とトウシがいれば、いくらでもタイムリープして修正できる」
「ああ、そうだよ、センくん。君たち二人は完璧で最強。いくら『過去』を改変しようとしても、今回のショデヒ騒動みたいな感じで、サクっと軌道修正して何事もなかったかのように処理してしまう。けど、過去じゃなくて『今』を改変した場合はどうかな?」
「あん?」
「君に伝わるよう、極めて簡単に言うとね……世界線の収束点を、『今』に設定させてもらった」
シュタゲに精通しているセンは、蝉原の言葉の意味がスっと脳に入ってきた。
だからこそ、顔面が一瞬で真っ青になる。
「それは、つまり……俺がいくらタイムリープして対処しようとしても……この時間軸に到達した際には、毎回、必ず、この状況……世界滅亡の状態に収束する……ってことか?」
「流石、理解がはやいねぇ」
「……」
「そんな地獄の状況を聞かされても、しかし、それでも、目の輝きを失わない……君の心の強固ぶりを前にすれば、タングステンもゲロ吐きながら裸足で逃げ出すね」
「……世界線の収束は、確かに強固な強制力を持つ。お前の言うことが全て事実だとすれば、確かに、何をどうしようと、世界は破滅してしまうんだろう。だが、お前も知っての通り、世の中には、シュタインズゲ〇ト世界線っていう便利な概念があってな。収束点をシカトして、違う世界線に突入することだって、やり方次第で出来なくもねぇんだよ。どうやればいいのか、今のところ見えてないが、死ぬ気で探し回れば、いつかは見つかるだろう。……クソ永ぇ神生の中で、散々経験してきたから、俺は知っている。この世界に難易度って概念は山ほど存在するが、不可能って概念は、あんまり存在しねぇ」
「素晴らしいコメントだ。不屈という概念の擬人化と言っても、なんら過言じゃない。……世界中のヒーローに聞かせてあげたいね」




