83話 スーパーオメガバスティオン。
83話 スーパーオメガバスティオン。
センキーとの距離を詰めてくるセミガニャル。その姿は、蝉原メインのものから、オメガ・ニャル=トリデサイゴのものへと変わっていた。
センキーは、冷めた口調で、
「相手をさせてもらうって……お前、もう、ほとんど生命力残ってねぇじゃん。一発か二発ほど、本気で殴ったら終わりだろ」
「だからこそ、私の出番なんだろうが」
そう言ってから、
セミガニャル(トリデ)はとびかかってきた。
すさまじい速度だが、
今のセンキーにはスーパースローに見えた。
「龍閃――」
トドメに特大の一撃をぶちこもうと、
右腕にオーラを集めていくセンキー。
そんなセンキーに、
セミガニャルは、両手を向けて、
「――フルドライブ・オメガバスティオン――」
特殊カスタムされたオメガバスティオンを発動させた。
すると、センキーの姿が、パっと、
『なんの変身もしていない、まったくの素の状態』のセンとトウシとソンキーとウラスケの状態に分裂してしまった。
「のああああああっ?!」
慌てふためいているセンの視線の片隅で、
真っ青になっているトウシが、すぐさま、
同じく真っ青になっているソンキーとウラスケを回収しようとしている……
そんな、しっちゃかめっちゃかな状況に、
セミガニャルは、最悪と断ずるにいささかの躊躇も必要ない『追撃の一撃』をぶちこんできた。
「祖となる神の異次元砲ぉおおおおおおおおおおお!!」
膨大なエネルギーを前に、
死を覚悟したトウシ・ソンキー・ウラスケの3人。
彼らとは真逆に、センだけは、ブチギレてんのかってぐらい冷静だった。
シンと静かに、のびやかに、
自分に出来る全部を、一瞬の中で総動員させていく。
その結果、
(――アルカナム・オメガバスティオン――)
トウシたちを守るように、
心の全てを賭したオメガバスティオンをぶちかます。
口に出すこともなく、意識の中だけで、センは世界に仇をなす。
セン自身は、『アルカナム・オメガバスティオン』というのが、どういう効果を持つオメガバスティオンなのか、まったく理解していない。
……そんなことは知ったこっちゃなかった。
とにかく、どうにか、ここで、トウシたちを守らないといけない……
自分は死んでもいいが、世界のために、トウシだけは死んではいけない……
そんな極限状態に陥った脳が導き出した特別な回答。
それが、『アルカナム・オメガバスティオン』。
――ギリギリのところで、
セミガニャルの『祖となる神の異次元砲』は、
センのアルカナム・オメガバスティオンによって、
急激に規模が縮小された。
エネルギー量こそ変わらないものの、
範囲はすさまじく狭くなり、
センエースの心臓部だけを貫通した。




