66話 実はね……田中トウシ以外の『イス田中』は、全員、デスゲームシステムに登録してあるから、いつでも呼び出せるんだ。
66話 実はね……田中トウシ以外の『イス田中』は、全員、デスゲームシステムに登録してあるから、いつでも呼び出せるんだ。
「……『共鳴融合は、こっちも使えるから、劣化版の共鳴融合を使っているだけじゃ相手にならない』……と、ウチのトウシ様がおっしゃっている」
「……ふ、ふふ……俺も共鳴融合を使えば、多少は抵抗できるかと思っていたんだけど……こんなに差があるとは……普通にショックだな。いや、差があるのは分かっていたし、俺の方が弱いのも分かっていたよ。でも……ここまで圧倒的だとは思っていなかったんだ……」
そう言ってから、
センキーの踏みつけから、瞬間移動で脱出し、
最低限の距離をとると、
「実はね……田中トウシ以外の『イス田中』は、全員、デスゲームシステムに登録してあるから、いつでも呼び出せるんだ。ウラスケだけは、トウシにとられたけど……他は全部、俺のものだ。ちなみに、レイナのように改造登録をしているわけじゃないから、意識を除いて素養だけを顕現させるってことはできないけどね。まあ、その方が、都合はいいかな。連結思考の接続を任せることができるから」
トウシだけは怖すぎて、とてもじゃないがシステム登録なんかできず、問答無用の完全隔離しか出来なかった。
しかし、そんな特別待遇はトウシだけで、
ほかの面々は、全員、余裕で確保してある。
「さあ……来るんだ。俺のパーツたちよ……」
そう言いながら、パチンと指を鳴らすと、
空に亀裂が出来て、
そこから、タナカ・イス・レイナと同じように、
大量の『イス田中』がぼとぼとと落ちてきた。
落ちて来る田中を片っ端から捕食する蝉原。
高速大食いでぺろりとたいらげてみせた。
一瞬のうちに、田中家の面々を大量召喚&大量摂取してしまった、下品で節操がない蝉原。
そうして、自分の中に、『膨大なCPUシステム』を構築すると、
『大いなるイスの末裔ども、死ぬ気で手を貸せ。さもなくば、君たちの大事な人を、徹底的に拷問した上で、完全なる死を与える』
『真摯に協力してくれるのであれば、君たちの安全は保障しよう。それだけではなく、望むものをすべて与えてあげる。既に伴侶をなくしているタナカには、死者蘇生という最大のプレゼントをあげよう』
アメとムチを極端に振りかざすという、肉体的にも精神的にも激しく追い詰めるヤクザ的手法で、強制的に協力させていく。
『それでもなお反抗的なタナカ』は、伴侶ともども即座に拷問し、グチャグチャにして、他のタナカへの見せしめにしていくという手法を徹底し、
絶対的恐怖政治で、イスCPUシステムを完全統括していく。
蝉原勇吾という絶対的恐怖を前にして勇気を叫べる者は少ない。
蝉原は、自分の中で拷問して殺した『反抗的な田中の凄惨な死体』を、ペっと吐き出して、その辺に棄てると、
「ちょっとだけ時間がかかってすまなかったね。まだ、この手の脅しに慣れていないんだ」
と、何の意味もない嘘をついていく。
あんまり時間はかかっていないし、この手の脅しに慣れていないわけでもない。
つまり、今の蝉原は、ただ拙いファントムトークを口にしただけ。
「大量の田中のおかげで演算速度はかなりマシになったけど、それでも、田中トウシ一人に惨敗だっていうんだから……本当に、田中トウシはチート過ぎるねぇ」
ゴールデンウイークイベント『さいごのまおうのせかい』、すでに公開中です(*´▽`*)
カクヨム、なろう、両方とも、下から飛べるようにしてあります。
個人的には、めちゃくちゃ面白く仕上がった……と思っています!
読んでいただけたら、幸いです!
そして、もしよろしければ、応援いただけたら……と思っております<m(__)m>
本日は5話まで投稿(2話「17:55」3話「18:25」4話「18:55」5話「19:25」ぐらいの間隔で投稿する予定)し、明日から毎日投稿していく予定です(*^-^*)
ちょっとでも、楽しんでもらえたらいいなぁ(/ω\)
……『さいごのまおうのせかい』は、新規様でも読めるようにチューニングしたつもりですが、
結局、あの作品を100%楽しめるのは、
センエース神話を愛読してくれている皆様だけな気がしなくもない……




