64話 仕方ない……できれば、全部自力でどうにかしたかったけど……こうなったら、『外部パーツ』に頼らざるを得ないようだ。
64話 仕方ない……できれば、全部自力でどうにかしたかったけど……こうなったら、『外部パーツ』に頼らざるを得ないようだ。
(この限界は『私の中に刻まれた最も強力な呪い』だから、自分の意志ではどうすることもできない。『蝉原勇吾に全力で協力する』ということは、『薬宮シリーズが本当の意味で死ぬ確率』を高めることになってしまう。よって、無意識のうちに、私は私にブレーキをかけてしまう)
(本当に、面倒くさい呪いだよ、『原初の愛』ってやつは)
心底しんどそうに、そうつぶやいてから、
蝉原は、
(仕方ない……できれば、全部自力でどうにかしたかったけど……こうなったら、『外部パーツ』に頼らざるを得ないようだ)
心の中で、タメ息まじりにそう言ってから、
『認知の領域外にセットされたコントロールルーム』の『味方召喚システム』を遠隔操作し、
「よし……これで、タナカ・イス・レイナを再生召喚することができる……」
そうつぶやいた直後、
空に亀裂が出来て、
そこから、タナカ・イス・レイナが落ちてきた。
意識なく落ちてきたレイナをつかみ取ると、
セミガニャルは、
センキーに、
「親方! 空から女の子が! ……って言わなくていいのかい、センくん」
半笑いでそんなことを言われたセンキーは、
視線の強度を高めて、
「どういうつもりだ、蝉原」
「ウムルの範囲攻撃で死んだ田中レイナを、肉体だけ与えて召喚したんだよ。田中レイナの意識は不要だから完全蘇生ではなく、外殻と素養だけを再生させた」
そう言いながら、田中レイナをバグっと丸のみしていくセミガニャル。
「トリデと合体したことで、戦闘力は低下しているけれど……『できる事』は増えているんだよ」
セミガニャルは、そう言った直後、自分の頭に指を突っ込んで、脳みそをグチャグチャとかき回し始めた。
「うわ、何してんだ、お前……キモいなぁ……」
グロ映像を数秒お届けしてから、
セミガニャルは、
「……こい……こい……こいこいこいこいこいっ!」
最後に、グググニャっと、テクニカルに、脳をいじると、
そこで、
「よし……きたっ……プラチナぁ……スペシャルぅ!!」
むちゃくちゃな手法で、極端なほど強制的に、
レイナの可能性を切り開いていくセミガニャル。
セミガニャルの中で目覚めた可能性、
それは、もちろん『サンスクリットアライブ』。
『愛の奇跡』を現実にする力。
愛の奇跡で、不可能を可能にしていくチート。
セミガニャルは、ニコリと妖艶に微笑んで、
センキーを見つめながら、
「俺のセン君に対する愛情は……この世界に存在する愛の中で、最高峰だと断言できるよ」
そう言いながら、サンスクリットアライブを起動し、
破格の奇跡を実現させようとする。
「……本当は融合系スペシャルの最高位である『原初核融合』が使いたいんだけどね。流石に、今の俺じゃあ、そこまでの狂気は扱いきれない。メモリ不足ってやつだね。……というわけで……無難に『共鳴融合』をインストールさせてもらう」
ゴールデンウイークイベント『さいごのまおうのせかい』。
『明日、5月1日の午後17:30』ぐらいから、
なろう、カクヨム両方で、投稿を開始します。
それを記念して、今週土曜日配信予定の自作コミカライズ版は無料公開します!
当然、土曜日に自作コミカライズ版配信記念の1日10話投稿もやります。
『さいごのまおうのせかい』も、『自作コミカライズ版30話』も、だいぶ面白く仕上がったので、
もし、よろしければ読んでいただければと思っております!
……いやぁ……今回は……マジで大変だった……(~_~;)
指ちぎれるかと思った……




