63話 『合体戦士セミガニャル』VS『合体戦士センキー』。
63話 『合体戦士セミガニャル』VS『合体戦士センキー』。
センは、バキバキと指の関節を鳴らし、蝉原を睨んだまま、
「……蝉原ェ……できれば、お前に、世界関連の面倒事処理を任せたかったが……なんか、もう、マジで、諸々めんどくせぇ! そもそも、なんで、俺が、そんな感じのことを考えないといけないんだ! ふざけんな! ――蝉原勇吾! お前とトリデを殺し、あとのことは全部トウシに任せ、俺は寝る!! もう知らん!!」
やけくそ気味にそう叫んでから、
『合体戦士センキー』は突撃した。
こうして開幕した、
『合体戦士セミガニャル』VS『合体戦士センキー』。
世紀の一戦。
『かなり高度な戦いになる』……と、
『センエース』は、
畏れつつも、ちょっと期待していた……
のだけれど、
――セミガニャルは、
「ぬぁああああああ!!」
センキーの攻撃をモロにくらい、あっさりと吹っ飛ばされた。
「ぐ……うぉおお……」
センキーのちょっとしたジャブ一発で、
バキバキの瀕死状態に陥ったセミガニャル。
センキーは、眉間にシワをよせ、
「おい、セミガニャル……ふざけんなよ。死線でふざけていいのは、頭がおかしい俺だけだ。お前はマジメに頑張れ。そうじゃなきゃ、俺が浮かなくなるだろ。いつだって、キモいのは俺だけでいい」
「ふ、ふざけているわけじゃないよ……思ったよりも、トリデとの相性が悪くて、戦闘力の低下がとんでもないことになっている……という、ただそれだけの情けない話さ……」
そう言いながら、セミガニャルは、必死になって、
自分の中の『軸』を立て直そうとしている。
まるで、『生まれて初めて自転車の練習をする運動音痴』みたいに、
コケて、動こうとして、またズッコケて……
そんな風に、よたよたしているところを見せらせて、
眉間のシワが止まらないセン。
しばらくは黙って、セミガニャルがあたふたしているところを見ていたが、
「もう、俺、攻撃していいか?」
と、しびれを切らした感じで、そう尋ねると、
セミガニャルは、
「ちょ……ちょっと待ってね」
綺麗にそう返しながら、
心の中で、
(……トリデ……もっと協力してくれ。足並みを合わせないと、戦いにすらならない)
(無理だ。センエースは、『輝木の翼』を背負っている。輝木と一つになったセンエースは、薬宮トコのフラグメントと定義できる存在。私は……『トリデサイゴという概念』は、薬宮シリーズに、本気で攻撃することができない)
(何回も殺しておいてよく言う)
(私やセンエースの中で再生させることが前提の一時的な生命の凍結……それが、私に出来る薬宮シリーズに対する限界だ。この限界は『私の中に刻まれた最も強力な呪い』だから、自分の意志ではどうすることもできない。『蝉原勇吾に全力で協力する』ということは、『薬宮シリーズが本当の意味で死ぬ確率』を高めることになってしまう。よって、無意識のうちに、私は私にブレーキをかけてしまう)
(本当に、面倒くさい呪いだよ、『原初の愛』ってやつは)




