54話 生成されているエネルギーの根源にあるのは、愛とか誠(まこと)とか、そんな、あまりにも人間くさい、青春の残骸みたいな……そんな、やすっぽい何かしらであるような気がしてならなかった。
54話 生成されているエネルギーの根源にあるのは、愛とか誠とか、そんな、あまりにも人間くさい、青春の残骸みたいな……そんな、やすっぽい何かしらであるような気がしてならなかった。
「ここまでくれば、もうワシの勝ち確みたいなもん。……あとは、アイテムショップを強制的に開いて、センエースの記憶を解放する。それで、終わりや、蝉原勇吾」
「それだけはなんとか食い止めたいけれど……無理だろうなぁ……やれやれ……」
蝉原は、しんどそうに、そうつぶやいてから、天を仰ぎ、『恒久極蟲神化2』をぶちかましていく。
グワァアアッッッ!!
と、『世界の進化をシカトした神気』を暴走させていく蝉原。
――蝉原は、続けて、
「アベル……申し訳ないけれど、まだ頑張ってくれ。連戦につぐ連戦で、死ぬほど疲れているのは分かっているが……君なしで、トウシとやりあうのは、流石に無理だ」
召喚されたアベルは、
一度、蝉原に対して、恨めしそうな顔をしてから、
ため息を一つ挟んで、コクっと、だいぶ、しぶしぶ頷いた、
「プライマルトランスフォーム・モード-ディアベル」
トランスフォームを決め込んでから、
蝉原は、トウシに、
「田中トウシ……本当に、頼むから、手加減してくれよ。知っての通り、俺は君より遥かに弱いんだから」
などと、情けないことを口にした上で、
ガッチリと、
『積み重ねてきた武』を構えた。
★
蝉原とトウシがやりあっている裏……
というか表の『現世』で、
センとトリデが、ボッコボコに殴り合っていた。
雰囲気としては、『昭和のツッパリ同士が河原で殴り合っている』みたいな……あのレトロな感じ。
発現されているエネルギーは、生命の限界に達している理不尽だが、
生成されているエネルギーの根源にあるのは、
愛とか誠とか、そんな、
あまりにも人間くさい、青春の残骸みたいな……
そんな、やすっぽい何かしらであるような気がしてならなかった。
まるでターン性のバトルみたいに、
トリデとセンは、互いに、一発ずつ殴り合っている。
お互いに、全神経と誇りと信念と深淵を拳に込めて、
顔面も拳も真っ赤にプックリと腫らしながら、
ただただ、全力で殴り合い続ける。
ドゴン、バガン、ズガンと、
星全体が、衝撃の余波で揺れている。
『地球に住む全生命が不安になる衝撃波』……その中心にいるのは、
どうしようもないほど変態な二匹という、
一般人にとっては救いようのない地獄絵図。
「はぁ……はぁ……」
顔面をグチャグチャに腫らしているトリデが、
フラつきながら、何度も深呼吸をして、
「センエース……お前に輝木を救えるか」
絞り出した、その言葉に、
センは、
「黙れ、小僧」
と、瀟洒なファントムで返していく。
別に、トリデはファントムトークを使ったわけではないし、
センも、その辺の機微は分かっているのだが、
しかし、そんなことは関係ない。
いけそうなタイミングを見つけたら、空気を読まずにぶちかますのがファントムトーカーの流儀。




