45話 問題なのは、せっかく、輝木が生き返って、世界も元に戻ったのに、このままだと、また失ってしまうってこと。
45話 問題なのは、せっかく、輝木が生き返って、世界も元に戻ったのに、このままだと、また失ってしまうってこと。
(全方位にエグい状況だ……どうする……正直、わけが分からんが……雰囲気的に、『世界がリセットされた』と考えて間違いないだろう。……なんでリセットされてんのか一ミリも分からんが……そこに関しては、ただありがたいだけだから、変に追及したりせず、受け入れておこう)
センは、辟易した視線を輝木に向けながら、
心の中で、続けて、
(多分、俺の知らんところで、誰かがドラゴ〇ボールを7個揃えて、『世界が終わる前に時間を戻して』と願ったんだろう。……多分違うんだろうけど、考えても分からんから、そういうことにしておく。……問題なのは、せっかく、輝木が生き返って、世界も元に戻ったのに、このままだと、また失ってしまうってこと……どうにかしないと……だが、どうすればいい……現状の俺には力がなさすぎる……毘沙門天さえあればなぁ……このウムル程度は普通に殺せるのに……)
と、センが、どうしたらいいのかと、頭グルグルで悩んでいると、
そこで、輝木が、
マシンガンを召喚して、
「野次馬のみなさぁん……今すぐ、消えないと、殺しますよぉお!!」
そう言いながら、
周囲に向かって、マシンガンを乱射していく。
ガガガガガガガガガガガガっと、強烈な弾丸が、四方八方に飛んでいく。
周囲の窓ガラスや壁や電柱やアスファルトをグッチャグチャにしていく、輝木のマシンガン。
彼女の殺気とマシンガンの威力を前に、『マジでやべぇ』と本能を刺激されたヤジウマの皆さんは、
「うぁあああああ!」
「本物の銃だぁああああ!」
「マジかよっ、うぉっ」
「ひぃいいいいいいい」
殺気バキバキの殺人鬼がマシンガン乱射している様を見たことで、
生存本能が強烈に刺激されて、普段の数倍の速度でダッシュすることができた民衆。
逃げていく野次馬の背中を見ながら、
センが、輝木に、
「いい判断だ……けど、その方法だと、民間人は逃がせても、警察とか自衛隊は防げない……空間系の魔法で、ウムルを閉じ込め――」
と、そう提案しようとしたところで、
「ガキども……ずいぶんと、周りが気になるようだな。仕方がない。優しい私が、掃除をしてやろう」
そう言いながら、右手を天に掲げ、
何かブツブツと呪文を口にしたと思った直後、
ウムルの右手から、大量の、『蛇みたいな軌道を描くエネルギー弾』が出現し、周囲の人やモノに襲い掛かっていく。
「や、やめろ、ぼけぇええ!」
とびかかるセン。
空間魔法を使おうとする輝木。
そんな二人の動きを完全に見切ったように、
スルスルと、自由なムーブで、
輝木の特殊空間を裂きつつ、
センの突貫を、あえてギリギリのところで避けながら、
「不敬にも、私の腕を切った貴様には……相応の地獄を見せてやらんとな」
そう言いながら、両腕を胸の前で交差させる。
すると、
周囲に散らばっていた蛇状のエネルギーが、一斉に、大爆発を起こした。




