42話 『記憶のほとんど』を引き継ぐことに成功しているので、経験知識を元に、武を補強することが、多少は出来ている……が、それにも、明確な限界がある。
本日の2話目です。
42話 『記憶のほとんど』を引き継ぐことに成功しているので、経験知識を元に、武を補強することが、多少は出来ている……が、それにも、明確な限界がある。
「……くそぉ! 変身できないのか! つぅか、お前は未来の記憶がないのか! じゃあ、なんで、ここにいるんだ! 記憶があるから来たんじゃねぇのかよ!」
「嫌な予感がしたから来ただけですよぉ……未来の記憶というのは、よくわかりませぇん。あと、変身なら、していますよぉ。ご覧の通りぃ」
「トランスフォームが出来るだけじゃ、ウムル相手だと役に立たねぇ! どうやら、あのウムルは、ウムルDより、だいぶ弱いっぽいが、今のお前よりもはるかに強ぇ! 輝木、どうにか、変身してくれ! お前は、変身できるんだ!」
センの命令を忠実に実行しようと、
必死に、変身を試みるが、
やろうと思ってできるものではなく、
叫ぼうが喚こうが、一向に変身できる兆しはない。
そんな中、ウムルが、
「遊びはもう十分だろう?」
などと、そんな事を言い捨てつつ、
輝木の顔面をガシっと右手でつかむと、
そのまま、ギニィイイっと、力強く、握りつぶそうとする。
「あああああああああああっっ!!」
頭にかかる、とんでもない圧力を前に、
悲鳴が止まらない輝木。
ここまで、『やかましいだけの傍観者』を貫いていたセンが、
そこで、バチっと切れた目になり、
「やめろ、ごらぁあああ!!」
ウムルの左のスネめがけて、思いっきりヤクザキックをぶちかましていく。
合体戦士センキーだった時は、あの蝉原に、ひとゲロ吐かせたほどの蹴り……
しかし、今のセンのパワーでは、もちろん、
「龍の鎧を着ているこの女と違い……貴様の方は、普通のガキだな……多少、武道の心得があるようだが、それがどうしたと鼻で笑ってしまうレベル。いくらなんでも、肉体の力が弱すぎる」
『記憶のほとんど』を引き継ぐことに成功しているので、
経験知識を元に、武を補強することが、多少は出来ている……
が、それにも、明確な限界がある。
『蹴り方』を知っている分、『何も知らないよりはマシ』なのは事実だが、
磨いた肉体がなければ、それも、宝の持ち腐れ。
センは、
「ぐっ……」
ただの蹴りとか、閃拳とかは、
さすがに、肉体強度が足りなさ過ぎて、
なんの役にも立たないと理解する……
と同時、
センは、眼球と脳と臓器を血走らせて、
輝木が纏っている龍の鎧……その腰付近に装着されているナイフを抜くと、
「スゥ……」
精神の全てを、刃に集中させ、
「合気……一閃……」
なるべく『肉体のパワー』を必要としない技を厳選して放った。
筋力も敏捷性も足りない現状だと、
どんな技であれ、だいぶしょっぱい威力になるのは間違いない。
しかし、この合気一閃は、『麻痺や筋弛緩毒などで力が出せない時用』に開発したテクニカル重視の一閃。
相手の力を利用するカウンター型の一撃なので、相手が自分に向かって攻撃エネルギーを向けている時の方が、最大限に効果を発揮するのだが、
そうでない場面でも、相手の元々持っている筋力や体重を利用して攻撃力をあげることが可能な剣。




