35話 センエースの覚醒的なことが起きたとしても……蝉原に銀の鍵を使われて終わり。タイムリープという鬼畜コンテニューの前では、どんな奇跡も焼け石に水。
35話 センエースの覚醒的なことが起きたとしても……蝉原に銀の鍵を使われて終わり。タイムリープという鬼畜コンテニューの前では、どんな奇跡も焼け石に水。
トウシは、センと蝉原に対して、一通りキモがってから、アイテムショップの詳細を解析し続けていた。
(……『100極ポイント』あれば、『封じられたセンエースの記憶』を回収可能……何が封じられとるか知らんけど……これだけの質量があるもんなら、現状の理不尽をぶっ飛ばすぐらいは余裕やろう……知らんけど)
実際、何がどうなるのかは分からない。
だが、トウシには確信めいたものがあった。
推理とか推察とか、そういう高尚な次元ではなく、
『センエースなら何とかしてくれる』というシンプル感情論。
『データなんかねぇよ』を地でいく、お気持ち一本という、バカみたいなフローチャートオンリーだが、
それでも、十分、信じるに値する可能性だと、魂魄の髄が叫んでいる。
意味不明の極み。
愚かさの最終到達点。
バカと天才は紙一重と言うが、
この場だけを切り取ると、
天才性は微塵も感じない、ただの大馬鹿。
(……100極を使い、センエース記憶を解放する……それが、『蝉原の嫌がらせ』を終わらせる最善にして唯一にして、最も手っ取り早い手段)
散々考えた末に、
根拠ゼロの結論を出したトウシは、
そのお粗末な結論を軸にして、
最終局面整地までの手を丁寧に詰めていく。
(記憶の開放が唯一の手段。……それは間違いないけど、今、この状況でセンエースの記憶を解放して、センエースの覚醒的なことが起きたとしても……蝉原に銀の鍵を使われて終わり。タイムリープという鬼畜コンテニューの前では、どんな奇跡も焼け石に水)
リセットされてしまえば意味がない。
それを踏まえた上での作戦が必要。
(……可能なら、蝉原から『銀の鍵を奪い取りたい』ところやけど……流石に、現物には、蝉原が、最大限の警戒網を張っとるから無理。蝉原自身の魂魄に根付いてしもうとる)
違法アクセスでデータの盗み見や改ざんをすることはできても、
『盗まれないよう握力全開で握りしめているスマホ』を奪い取ることは出来ない。
――みたいな感じ。
(……だいぶしんどい状況やけど、『ピース』はそろっとる。あとは使い方。最善の方法……何が最善……何が……)
さらに豪速で回転する頭脳。
ここまでの段階でも、既に、脳がぶっ壊れてもおかしくないほど回転していながら、しかし、まだまだ疲れを知らずに、爆速で回り続ける。
人外の速度で、未来を演算していく、知的生命の最終頂点。
息をするように物語を壊していく、最果てのバランスブレイカー。
(……ループするたびに、ワシは、自動的に、蝉原の隔離領域に閉じ込められる。蝉原がそういうマクロを組んだから。……ココにわずかな『勝機』がある。銀の鍵のメモリを拡張し、グリッチの記憶さえ引き継げれば、すぐさまコントロールルームにアタックが可能。この強引な一手は、一度やってしまえば、蝉原に『ワシが銀の鍵に介入したこと』が完全にバレるから、以降は、もう二度と、同じ手段はとれん。これは、最初で最後の、神の一手)




