34話 センエースも、たいがいイカれとるけど、蝉原も相当やな……こんなキチ○イどもに囲まれて、ワシ、ほんま可哀そう。現状、この空間に、まともなヤツ、ワシしかおらへん。
34話 センエースも、たいがいイカれとるけど、蝉原も相当やな……こんなキチ○イどもに囲まれて、ワシ、ほんま可哀そう。現状、この空間に、まともなヤツ、ワシしかおらへん。
その破格に狂った頭脳を、さらに焼き切れるほど、豪速回転させて、起死回生の一手を探した結果、トウシは、
(――あった)
ありとあらゆる角度、ありとあらゆるデータの海を、爆速でくまなく散策した結果、
『蝉原やショデヒによって廃棄された山ほどのジャンク情報』の中から、
『アイテムショップ』に関するデータをサルベージすることに成功した。
アイテムショップのシステム全体を秒で解析すると、
(……通常では確認できん『裏ポイント』……凄まじい『蓄積データ量』……『高位アリア・ギアス起動用のトリガーポイント』が山ほど……これは……ほぼすべて『センエース』が稼いだもの……)
トウシは、チラっと、センの顔を見ながら、
(あのヘチャむくれの変態、エグいな……どうやったら、こんな、イカつい量のポイントを稼げんねや。マジで、どういうこと? ……なんやねん、『100極ポイント』って……『ムーンビースト一体で3ポイント』とかの数的世界観やのに、どうやったら、『極』の桁を稼げんねん。キモいなぁ、あいつ……)
トウシは、心底から、ゲロ吐きそうな顔で、
センエースの軌跡を解析していく。
(……あの変態……信じられんぐらいの膨大な数の最高位アウターゴッドを撃破しとる。……オメガ・ニャル=トリデサイゴ1万体、ミゼーア1万体、シュブニグラス1万体、ヨグソトース1万体、トルネンプラ1万体、ウムルD1万体……他にも山ほど……いや、ほんま、どんだけ、アウターゴッドを殺してんねん)
蝉原が銀の鍵で繰り返した分だけ、
センも地獄を乗り越えてきた。
その経験値も記憶もリセットされているが、
――アイテムショップの『裏ポイント』としては残っていた。
通常のアイテムショップデータでは確認できない、
システムの裏側に蓄積された膨大な隠しデータ。
(……やばいな……この数字こそ、世界がループしとる確たる証拠。……おそらく……というか、確実に、蝉原は、ここ一週間ほどを、1万回ループしとるな……無茶苦茶しよる……センエースも、たいがいイカれとるけど、蝉原も相当やな……こんなキチ○イどもに囲まれて、ワシ、ほんま可哀そう。現状、この空間に、まともなヤツ、ワシしかおらへん)
と、己の不幸な境遇を呪う田中トウシ。
センエースの方が、キモさで若干リードしているのは紛れもない事実だが、
正直、50歩100歩感が否めない今日この頃。
トウシは、センと蝉原に対して、一通りキモがってから、
アイテムショップの詳細を解析し続けていた。
(……『100極ポイント』あれば、『封じられたセンエースの記憶』を回収可能……何が封じられとるか知らんけど……これだけの質量があるもんなら、現状の理不尽をぶっ飛ばすぐらいは余裕やろう……知らんけど)




