15話 これまで、散々、外道な邪道を使って、なんとか食らいついてきたが……それだけでは届かない高みに、センエースは立っている。
15話 これまで、散々、外道な邪道を使って、なんとか食らいついてきたが……それだけでは届かない高みに、センエースは立っている。
(トウシのスペックが、あまりにも規格外にエグすぎるな。『悪陣営(蝉原サイド)』の面々も、普通に考えたら、相当な実力者たちだが、流石に、『敵側』が強大すぎて、見劣りせざるをえない。……『小学3年生以下の少年野球チームで、メジャーのオールスターに挑む気分』だ。……あるいは、『竹やり数本で戦闘機に挑む気分』……絶望しか見えない)
常識的な視点が少しでもあれば、
普通にお手上げの状況。
……だが、蝉原は、
グっと奥歯をかみしめて、
(だからこそ……歯を食いしばることに意味が産まれる……『本物』でなければ、『本物』には太刀打ちできない。コピーや、抜け道や、バグや、裏技や、チート……これまで、散々、外道な邪道を使って、なんとか食らいついてきたが……それだけでは届かない高みに、センエースは立っている)
外道や邪道を使って追いつけたと心から思えたことは一度もない。
ただ、振り落とされないよう、必死になって、しがみついただけ。
(……『田中トウシ』一人が相手なら、外道を極めるだけでも、勝てる可能性がゼロじゃないが……『センエース+田中トウシ』となると、外道な邪道なんぞは、どれだけハイクオリティを求めても、最終的には鼻息で蹴散らされる)
それが単なる疑心暗鬼ではなく、まごうことなき事実だというのが、
『根が悪人である蝉原』にとっての、大変な地獄。
(……『邪なだけの道』でも、突き詰めれば、センくんは、多少、苦戦してくれるだろうけど……どこまでいっても『ちょっと苦しんで終わり』だ。最後の最後には、これまで通り、『本物の輝き』を炸裂させて、俺を、遥かなる高みから叩き潰してくる。そのオチは、もう十分、味わった。……俺は、電気ネズミを追いかけるラブリーチャーミーな敵役ではないから、毎週、毎週、同じやられ方をする気はない)
蝉原は、無数の魔法で、トウシに圧をかけながら、
心の中で、
(俺も本物を求める。泥臭さを煮詰めた傷だらけの本物。そして、正式に、センエースの前に立つ)
膨大な輝きで、トウシに猛攻。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおっつ!!」
とてつもない連打、連撃、グミ撃ちの嵐。
泥臭く、必死に、全力を出して、トウシに圧力をかけていく。
『ベジ〇タが負ける直前』ぐらいの勢いで、山ほどの連続攻撃をトウシに浴びせていく蝉原。
(センくん……多くの人の『視点上』で、君は、間違いなく、絶対的な主役だけれど……でも違う。それは勘違い。集団催眠みたいなもの。……これは……本当は、俺が主役の物語なんだ。脆弱な俺が、最強の君を超えるまでを描いた感動のサクセスストーリー。物語っていうのは、弱い主人公が、強い敵を倒して、はじめて盛り上がる。君が主役だったら、盛り上がらないよ。だって最強なんだから)




