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62話 さすがに笑ってしまったジジイ。


 62話 さすがに笑ってしまったジジイ。



 抵抗むなしく、どこかへ運ばれる三人。

 気付いた時、三人の視界には、無数の死体が転がっていた。

 子供も女も関係なく、とにかく、ズタズタにされた死体の山。

 そんな凄惨な死体の山の前に立っている一人の老人が、




「ごきげんよう、お嬢さん方」




 そんな風に声をかけてきた。

 気軽に声をかけてきた老人は、使徒の方々よりも遥かに上質で気品のあるオーラを纏っていて、


「私は、ゼノリカの天下、第二アルファ東方代表、沙良想衆を背負う献身のアステリズム。コードネームはアンドロメダ。よろしくのう」


 アンドロメダの挨拶を聞いた三人は、


「……ぉ、おいおい、すげぇジジィがいたもんだな」

「勇者より、遥かに強い。びっくり」


 絶大な覇気を纏っているアンドロメダの強さにあてられて体を震わせるパルシュとユーイ。

 そんな二人とは違い、セレーナは、


「……なるほど……あなたが……」


「ん? 私が何じゃ?」


「レイモンドのCEO……ドーラ嬢の父……どうやら、ドーラ嬢は若く見えるだけで、意外と年齢がいっているようね……それとも、遅くに出来た子供なのか……まあ、どっちでもいいけれど、とにかく、流石と言わせてもらうわ。ドーラ嬢も凄まじかったけれど……父であるあなたは、彼女を超えている。最悪の展開と言わざるをえないわ」


 それを聞いて、アンドロメダは、


「くくく……」


 愉快そうに笑って、


「おい、ジジィ、何がおかしい?」


「いや、気にするな……先の発言は、ゼノリカを知る者であれば、だれしも、笑わずにはいられない、という……まあ、ただそれだけの話じゃよ」


「ムカつくジジイだ……ちょっと強いと思って良い気になりやがって……」

「……ぶっころ」

「落ちついて、パルシュ、ユーイ。私達だけで勝てる相手じゃないわ」


「おちつくもクソも、相手はやる気みたいだぜ」

「逃げ道を探ってみたけど、見つからない。殺さないと殺される。セレーナ、覚悟を決めて」


「……くっ。ユーイ、本当に逃げ道はないの?」

「探した。けどない。見事な檻」

「となれば、ここはわたしたち三人で力を合わせて、どうにかあのジジイを殺すしか道はねぇなぁ」

「大丈夫。わたしたち三人ならできる」

「ああ、わたしら三人に出来ない事はねぇ」

「今まで、この三人で何か成し遂げた事とか一度もないっていうのに、その妙な自信はどこからくるの?! ねぇ、ほんと落ちついて。まずは、対話を――」


 と、そこで、アンドロメダが、上着を脱ぎ捨てて、


「残念じゃが、ぬしらと対話をする気はない。なんせ、私は、ただ、仕事の息抜きで軽い運動をしにきただけじゃからな」


 ググっと軽くストレッチをしつつ、


「私がここで出てきた理由……実際のところは、『現地の上位者の程度を見ておきたかった』とか、『UV9の演出の一環』とか、まあ他にも色々あるんじゃが……それをぬしらに、懇切丁寧に教えてやるつもりはない。さて、そろそろ時間を無駄にするのも飽きた。遊んでやる。かかってこい」


「図にのってんじゃねぇぞ、クソジジィ!」

「ピースメイカーの力を教えてあげたいっ」

「ああ、もう!」


 パルシュ・ユーイ・セレーナの三人の連携は、即席とは思えないほど見事だった。

 三人は、この世界では、飛び抜けた強さを持つ達人。

 三人それぞれが、勇者と互角に戦う事ができる超人。

 ※ タイマンでやれば確実に負けてしまうが。



 存在値だけなら、魔王国の女王リーン・サクリファイス・ゾーンの方が上だが、ぶっちゃけ、ピースメイカーに属する者で、リーンに負ける者は一人もいない。



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