28話 肉体にフィットしたメカニカルドラゴンフレームを荒々しく包み込む黄金のフォトンは、限界を超えた稼働率を実現するIS流式半永久回路。
28話 肉体にフィットしたメカニカルドラゴンフレームを荒々しく包み込む黄金のフォトンは、限界を超えた稼働率を実現するIS流式半永久回路。
「ルナ……おいで」
砦は、そう言いながら、センが着込んでいる『メギド・ルナ・センエース』に手を差しのべる。
そんな砦に対し、センは、鼻で笑ってから、
「ふっ……愚かな。嘘つきのヨグや、関係性の浅いシュブならともかく……ルナと俺の間には、だいぶ長い歴史というつながりが――」
しゃべっている途中で、
ルナは、
「きゅいっ」
センの意志をシカトして、勝手にトランスフォームを解除して、
そのまま、当たり前のように、砦のもとへと、ふよふよと飛んでいく。
その様子を見たセンは、涙目で、
「うわぁーん! ママぁあ! みんなが、僕を裏切るぅうう!!」
と、真正面からの絶望を叫ぶ。
しゃれっ気をこめた発言ではあるが、心の叫び濃度としては、かなりガチ。
この段階で、すでに、相当な地獄だが……
しかし、まだ、センエースの絶望は終わっていなかった。
むしろ、ここからが本番だと言えよう。
「……トランスフォーム。モード・アウターゴッド/レベル17」
丁寧にルナを着込んでいく砦。
ヨグに、シュブに、ウムルDに、ミゼーアに、ルナ……
えげつないぐらいメモリを食いそうなラインナップだが、
砦は、なんなく乗りこなしていく。
「ルミナス‐コア融合! GX夢幻魔皇ドライブ起動! 全リミッター、強制解除!」
どんどん、底上げしていく。
まだまだいく。
「 カオスインフィニッターMRカスタム【レゾナンス/改X】クリアランスUV。
――『朧月華』―― 接続!!! 」
砦の存在値が限界を超えて跳ねあがる。
全て、惜しみなく、限界突破状態でフル投入していく。
胸部で眩しく輝く、白銀のGQCコアが、無尽蔵のエネルギーを生成し、ドクドクと駆動ラインに流し込んでいく。
肉体にフィットしたメカニカルドラゴンフレームを荒々しく包み込む黄金のフォトンは、限界を超えた稼働率を実現するIS流式半永久回路。
朧月華と銘打たれた両腕のガンブレイドは、火力のみを追求して魔改造された、荒々しい殺意の象徴。
最適化されてスタイリッシュに仕上がっている龍化外骨格とは面白いほど対照的。
ただただ無骨に、自身の凶悪性だけを惜しみなくアピールしている生への冒涜。
メタリックな死色の花びらが幻想的に舞う。
その禍々しい姿を見て、
センは普通にゲロを吐いた。
ハチの巣になった体は、砦が仕上げている間に、魔法で回復させたのだが、
もう、いっそ、回復させずに朽ちて死ねば良かったと思った。
「時神式クロノスフィア・マトリクス[[エグゼギアシステム]]発動!
/ユリーカコード・イクシード/ ルナティック・ナイトメアユニット、オープン!
我が身を守れ、インビンシブル・マキシマイズ・ドリームオーラ/クラスGOD!!」
膨れ上がっていく、地獄を積んできた廃人の結晶。
『エグゾギア』とはまた別種……一文字違いで紛らわしい、『エグゼギア』という狂気のシステム。




